静かな集塵機が欲しい。
自作・工作好きDiyerなら集塵機・掃除機について頭を悩ましたことは一度はあると思います。
余談ですが、私、タービン、ターボ、ジェットエンジンが大好きで掃除機のタービンも同じくくりで大好きです。私の中では掃除機=タービンエンジン。
さて、だんだん工作にはまっていきますと、「家庭用掃除機を拝借」ではなく専用の集塵機を常設したくなります。
うちの作業小屋にも自作サイクロン集塵機を常設してあるのですが、少々パワー不足で改善したいと前々から構想しておりました。
作業小屋の集塵機の必須条件は・・・
① 常時運転しても気にならない音量・音質
リューター、ルーター、フライス盤の稼働中に集塵を回しっぱなにしたい。
② 大風量
家庭用掃除機は局所的な吸引力は強いが風量が少ないため、丸ノコなどの電動工具から舞う粉塵を補足しきれない。
そこで、海外のDIY動画でよくある集塵システムをまねてみようと思いました。
海外Diyerのダストコレクトシステムはホームセンターに設置さている集塵機と同クラスで大き過ぎますので、ミニチュア版を試作してみることにしました。
集塵システムの構造
図が一番わかりやすいですね。
簡単に解説します。
エンジン部
動力源は、DC24V 350Wブラシレスモータータービン×2基 です。
100V家庭用掃除機のタービンとほぼ同サイズのタービンです。
※DC24V 350 ワット 3 相DCブラシレス遠心送風機 ×2基 Aliexpressで1台31ドル+送料34ドル。
〇ブラシレスモーター選択理由
大半の家庭用掃除機は整流子モーターを使用しておりうるさいです。
整流子モーターは、模型用でよく使われるマブチモーター(+-の2線タイプ)と同じ構造のモーターです。
ブラシという機械的に擦りながら回転する部分があるため、回転音に「ジー」といった(低速で回すとわかる)雑音が入ります。
対してブラシレスモーターは、扇風機のモーターと同様機械的に擦りながら回転する部分がないため静かです。(線は3線となります)
電車の加速時のような「ヒュイーン」といった調律の取れた品のある音がします。
というわけで、ブラシレスモーターで駆動されるタービンをaliexpressで購入しました。
〇防音ボックスに収納
防音のため厚さ2.3㎜の鉄製ボックスに吸音材を貼ったBOXに収めます。
サイクロン集塵部
自作集塵機用として流通しているサイクロンを2基、Amazonで購入しました。
集塵用配管と吸引口
配管は呼び径40.50.65の排水用塩ビ管を使用しており、接続は接手に差し込んであるだけで接着はしていません。
給水排水用配管パーツの接手、エルボ、分岐接手の差し込み部分はテーバー状になっておりますので、手で「ムギュッ」と押し込めば気密性は確保されます。(あくまで集塵用途として)
壁に支持具で管を固定すればは接手は外れませんし、改良したいときは支持具を外して引っ張れば外せるので便利です。
〇作業台用サイクロン
掃除機として使います。
作業台の掃除や床の掃除で一番ゴミを吸うことになるため、ダストボックスのゴミを簡単に捨てられるよう作業台の隅にサイクロン&透明ダストボックスを追加設置。
〇旋盤用吸引口
樹脂、木材加工時に発生する粉塵用です。内径56㎜の塩ビパイプ+フレキシブルダクト。
〇サンドブラスト用吸引口
サンドブラストキャビネットを負圧に保ち、研磨粉塵を集塵するための吸引口です。
〇フライス盤用吸引口
フライス盤で樹脂、木材加工時に発生する粉塵用です。
吸引口の制御について
各吸引口の開閉はシャッターで行います。
海外DIYではダストコレクトシステムキットが販売されているようで、配管パーツやシャッターなどパーツも流通していますが、あまり日本では販売されていません。
Amazonでも見つかりませんでした。海外Amazonが検索されてしまいます。
呼び径50㎜用のシャッターは小さすぎて存在しないようなので、手間ですが5㎜厚MDFボードで自作しました。
シャッターの開閉はとりあえず手動です。出来ればサーボモーターなどで制御できればカッコいいなあと妄想しているものの、詳細までこだわると完成が遅れますので、機能を成せばそれでよしとして進みます。
タービンの制御について
ブラシレスタービンはでスピードコントローラー付きの直流24V仕様です。
別途購入の100V→24Vスイッチング電源から供給します。
Amazonで3311円でした。
制御はコントローラーからの3線で外付けされている可変抵抗器(10kΩ)で行います。(購入時)
リモコン制御
2台のタービンのON・OFFと調速をボタン一つで制御するため4チャンネルの無線リレーを購入しました。
車のキーのように立派なリモコンがかなりの廉価で販売されているのには驚きです。
パナソニックの松下幸之助さんがおっしゃった、
生産者の使命は生活物資を水道水のごとく無尽蔵にたらしめることである。いかに貴重なものでも量を多くし無代に等しい価格をもって提供することである。
が実現されていますね。 ありがたやありがたや・・・。
さて話は戻って、
この4チャンネル無線リレーを利用し、Aチャンネル(停止)、Bチャンネル(弱)、Cチャンネル(中)、Dチャンネル(強)と3段階で速度を制御しています。
「4チャンネル無線リレー回路」のリレーは使わず、各リレーコイルへの出力電流を利用し、複数のフォトMOSリレーをオンオフさせています。
フォトMOSリレーたちが3つの可変抵抗器を切り替える選択スイッチになっています。
Aチャンネルを押すとコントローラーから可変抵抗への線を遮断。(停止)
Bチャンネルを押すとコントローラーからの線を可変抵抗1(弱に設定)に接続。
Cチャンネルを押すとコントローラーからの線を可変抵抗2(中に設定)に接続。
Dチャンネルを押すとコントローラーからの線を可変抵抗3(強に設定)に接続。
といった具合です。
この4チャンネル無線リレーはいくつかの動作設定が可能で、「A,B,C,Dのどれかを押すと他のチャンネルがオフになる」パターンに設定すれば必ず1つのチャンネルのみオンにでき、私の用途にピッタリでした。
樹脂製ケースとリモコン2個が付属しています。
無線リレー→フォトMOSリレーへの回路はこのようになりました。
電気に詳しい方から見れば、寄せ集めの適当な回路だとは思いますが・・・私の現在に知識ではこれ以上のモノは作れません。
おわりに(とりあえず〆ます)
これで、自作集塵システムの概要説明は終わりとなります。この構造で「低騒音の大風量集塵機」という目的は十分達成してくれるはず。
近々、作成と稼働結果をまとめて記事にします。
ブログ書くって大変ですね。時間が足りません。工作していたいです。(笑)
Youtubeに作成過程をアップしました。
動画の方がわかりやすいと思いますのでご覧ください。