冬のガレージ(作業小屋)は寒いです!
寒い小屋でのDIYは拷問です。やはり趣味の時間は快適に楽しく過ごしたいです。
そこで4年前に自作熱交換器を作成し温水式床暖房を作業小屋に導入しました。
空気だけが温まるエアコンでは、部屋は暑いわりに足がジンジン冷えるのでイマイチ快適ではありません。
床暖房は暖かくなった床タイルからの輻射熱で暖かさを感じるので幸せな気持ちになってきます。
「趣味の小屋」「秘密基地」をこれから検討されているならぜひ床暖設置をお勧めします。
快適な環境で好きなBGMを流し、工作に没頭していると時間が経つのを忘れます。曜日もわからなくなります。楽園です。
今回の記事は、床暖房用の自作熱交換器(改良バージョン)の作成です。
4年前に作成した自作熱交換器(温水器)は作業小屋の隅に設置しており、狭い作業小屋を圧迫していたため室外に設置することにしました。
目次
自作床暖房のしくみ
お湯が次のように循環します。
石油ストーブ(トヨトミK-3F)で銅管コイルを加熱しお湯を作る
→お湯タンクに貯める
→ポンプで床下銅管へ送る
→床を温めてから銅管コイルに戻る
自作 熱交換器の作成
以前の記事でも書きましたが、キャンプで瞬間湯沸かし器が使えたらいいなという発想で、コールマンのガソリンバーナーで銅管コイルを加熱してお湯を作る実験をしたことがあります。
使用した銅管はΦ6mm長さ1m程(ホームセンターで購入)で、これをバーナーの直火でガンガン加熱すればすぐに熱くなるだろうと思ったのですが、ほとんど水は暖かくなりませんでした。
この悲しい出来事から、「銅管を30mくらいにすれば絶対お湯ができるはず」となまし銅管を30m購入し熱交換コイルを作成しました。
銅管コイルの作成
外径6㎜肉厚0.8㎜のなまし銅管の20mパック(3625円)と10mパック(1814円)、合わせて30mを配管部品.comで調達。
これで4重銅管コイルを作成しました。
直径70㎜、巻き数=23巻き、使用銅管 約5m10cm
直径90㎜、巻き数=23巻き、使用銅管 約6m50cm
直径110㎜、巻き数=23巻き、使用銅管 約8m
直径130㎜、巻き数=24巻き、使用銅管 約9m80cm
これら4つのコイルを重ねます。
コイルの作成は簡単です。
なまし銅管はかなり柔らかいので手で簡単に曲げられるので、適当な円筒のものに巻き付ければすぐに完成です。スプレー缶、塩ビ管などを使いました。
金属なのに手できれいに曲げられるのでちょっと楽しい・・・キレイな金属パーツが並んでいるとワクワクします。
ステンレスフレームの作成
銅管コイルは結構重いです。
銅管10m=1.18Kg+20m=2.83kg=約4kgあり、この重い銅管コイルをストーブの熱に耐えながら支えるため、ステンレスでフレームを作ります。
5mm角ステンレス角棒、2㎜×10㎜ステンレスフラットバー、Φ4㎜ステンレス丸棒をTIG溶接で組み立てます。
(溶接個所が美しくありません。小物の溶接って難しいですね。自在に溶接できるよう精進します。)
このフレームに銅管コイルを差し込んでいきます。
銅管コイル→ステンレスフレーム→銅管コイル→ステンレスフレームと交互に組んでいくため、各コイルの間は5㎜+αの空間が確保されます。
この空間をストーブの熱気が通過します。
石油ストーブの改造
熱源にするトヨトミの煮炊き用ストーブは円筒形で幅があります。そのまま利用すると無駄に大きくなるので、円筒形のタンクを自作の四角いステンレスタンクに置き換え小型化を図ります。
タンク外寸 390㎜×230㎜×90㎜ 実質容量6.4ℓ
(後から振り返ると・・大きすぎでした。)
ステンレスタンクの溶接 1回目・・・失敗。
当初0.8㎜厚で作成したのですが、円筒形バーナー部分を溶接したところ激しいゆがみが生じ修正できませんでした。
経験不足ですね。もう一度チャレンジしても素人の私の腕ではこの歪みは回避できそうにありません。
ステンレスタンクの溶接 2回目
「材料を0.8㎜→1.5㎜厚ステンレスに変更する」、「円筒形バーナーの固定は温度の低い半田付けとする」ことで熱歪みに対応することとしました。
バーナー部分の固定が終われば、後はボックス状にステンレス板をTIGで溶接していきます。
熱による歪みを避けるため、仮付け後2,3センチずつの短く小分けに溶接していきます。
ステンレスタンクが完成しました。水漏れテストも合格です。
これに、トヨトミの石油コンロのバーナー部分と銅管コイルを載せれば、熱交換部は完成です。
自作 熱交換器 完成図
熱交換機の概要です。
銅管コイル以外に作成したパーツ
〇貯湯タンク 直径14センチのステンレス鍋
〇熱交換器カバー 直径16センチのステンレス鍋
熱をこもらせて熱交換効率を上げるためのカバーです。
これがないとストーブ上方の手をかざすと熱く感じます(熱がどんどん逃げていると解釈)が、付けるとストーブ上方に手をかざしてもそんなに熱を感じません。
〇各コイルの流量調整バルブ シリコンパイプをねじで締め付けるという単純構造。
運用してみるとすべて全開でよいことがわかり不要でした。
〇チャンバー 4重コイルに分岐するためのもの。ステンレスパイプ等の端材で作成。
アルミカバーを付けるとこうなります。
吸排気について
使用している石油ストーブは自然対流型なのでカバーで覆ってしまうと不完全燃焼すると思われます。
カバー背面にDC12Vファン60㎜角を2台設置しケース内をわずかに加圧し、上部に排気口から燃焼ガスを排気しています。
灯油タンク&灯油ポンプ
木製のケース内に10ℓのスチール製灯油タンクが内蔵されています。ここから12V燃料ポンプで熱交換器内のステンレスタンクに移送します。
電気系統の作成
温水器を室外設置としたため、室内のパネルに温度計、燃料計を設置し様子を確認できるようにしてあります。
燃料計はバイク自動車用の燃料計を流用し、液面センサーは作り直しました。
(Amazonの燃料計 フロートスイッチではない水位センサーの自作を参照)
左からメイン電源スイッチ、お湯ポンプ&吸気ファンスイッチ、灯油ポンプスイッチとなります。
〇メインスイッチ:100V→12V電源のオンオフ用です。(機器はすべて12Vで稼働)
〇お湯ポンプ&吸気ファンスイッチ:両方同時に稼働させています。
〇灯油ポンプスイッチ:燃料計は熱交換器内のステンレスタンクの液量を表示しており、減ってきたら木製ケース内の灯灯油タンクからチャージします。(手動オンオフ)
壁に埋め込んであります。
簡単なポンプをオンオフするだけの回路ですが、年月が流れると自分で作っておきながら「なんでこんな配線にしたのか」わからなくなることがあります。
記憶のために貼っておきます。
自作床暖 うまくいきました!
試運転してみます。
点火時の外気温は0℃、温水器水温0℃、室温12℃
温度の上昇具合は、点火後30分くらいでほんのり床が暖かくなり始め1時間くらいで十分暖かいなと感じるといった具合です。
2時間以上たつと靴下だと熱過ぎで、サンダルを履いてちょうどいい感じです。
少し熱めですが、足元が暖かいというのはとても快適です!
ただし、2時間後でも室温はほとんど上昇しませんので初めはエアコンで温める必要があります。
現在、床暖とエアコンを同時にオンにして、1~2時間後にエアコンをオフにするという使い方をしています。
室温が17,18℃と少し低めでも温く感じます。床暖がない時は室温を20℃以上にしても足元から熱を奪われるようで「底冷えするなあ」と感じながら工作していました。
熱交換器のお湯の温度
床の温度上昇が止まり安定した時のお湯の温度は、熱交換器から出た所(一番熱い)で65℃前後、床から温水器に戻る所で45℃前後です。
ストーブ全開を続けると、お湯の温度は「65℃のお湯が床下で熱を放出し45℃で戻る」状態で安定します。
この状態で作業していると足の裏が熱すぎるので、点火後、3,4時間経過したらストーブを最弱にして使用しています。
ストーブを最弱にすると熱交換器からの温度は55℃ほどに下がりますが、床から熱交換器に戻る温度は45℃とほとんど変わりません。
熱交換器の燃費
朝7時頃点火し出力全開のまま17時頃まで(10時間)使用するとタンク3分の2程の灯油を消費します。
アバウトな燃料計なので正確な燃費はわかりませんが、タンク容量6.4ℓ×2/3=4.2ℓ
4.2ℓ÷10時間=420㏄/hとなります。
今後の課題
現在、点火と消火は手動です。室外に設置した熱交換器までチャッカマンを持って点火しに行かなくてはなりません。これは要改善です。
ギア―ドモーターやステッピングモーターで芯を上下させ、ニクロム線などで点火できないかと妄想中です。
また、循環するお湯が結構蒸発していきます。1週間に1回、300㏄程水を追加する必要があります。
これも改良していきたいですね。
どんどん作らなきゃいけないモノが増えてきます。楽しみが尽きません!