ちょっとした勘違いでブラシレスモーター仕様の電動ドリルを2種類購入することになり、又またAmazon倉庫から道具が届きました。
「マキタのDF484DZ」と「Elikliv」というマキタ似の電動工具メーカーの格安品です。
Eliklivは「マキタ互換」という表現が強調され売り出されています。 バッテリーがマキタ互換という意味のようです。
本記事は、マキタの18V電動ドリル「DF484DZ」とマキタ互換?の18V電動ドリル「Elikliv」の比較です。
はじめに結論
穴あけ専用機として購入するなら、コンパクトでパワフルなEliklivがおすすめ。
穴あけ、ネジ締め、タップたてなどいろいろな用途に使うなら絶対にマキタ。
ELIKLIVが穴あけ専用機とした理由は、「微妙な速度調整ができない」から。(無断変速との商品説明は誤り。7段階に段階的に可変する)
これが致命的な欠点。
0からゆっくりじわっと回転できないため、「ネジ締めでプラスの山をつぶす」、「ネジ山をなめてしまう」可能性大。
特に家電等の小ネジの分解組み立て作業には怖くて使えません。
動画の後半をご覧になるとよくわかります。
安さに惹かれて「初めての電動ドリル」として購入すると後悔するかもしれません。
価格とサイズ
「マキタDF484DZ」はバッテリーなし本体のみで16,490円。 対して「Elikliv」はバッテリーなし本体のみで4,900円。 これはかなりの安値だと思います。
Eliklivの第一印象は「価格のわりに非常に良い!」 でした。
写真のとおりEliklivは非常にコンパクトです。 対してマキタは結構ずんぐりむっくりで「デカっ」という印象です。
さらに上から見るとそのデカさがわかります。
私の手計測では、マキタの全長は172㎜、Eliklivの全長は155㎜でした。
「販売ページの写真」から受ける印象とはだいぶ異なりますね。マキタがこれほどデカいとは思いませんでした。
このサイズの違いがEliklivの第一印象が良かった理由です。
電動ドリル、インパクトは全長が短い方が絶対にいいです。そう思う時が必ずやってきます。(笑)
「狭いところで振り回せる穴あけ専用機が欲しいんじゃ~」という方ならコンパクトなEliklivは買いです。
冒頭に書きましたとおり、穴あけ・ネジ締め等いろいろ使う方にはEliklivはお勧めできません。
パワーについて
商品説明のトルクを比較しますと・・・
マキタDF484DZは60N・m。
Eliklivは120N・m。
コンパクトなElikliv(ドリルチャックΦ10㎜)がマキタ(ドリルチャックΦ13㎜)
の倍のトルク? んな分けありません
どのように計測したか知りませんが、120N・mというかなり盛った商品説明は「所詮中国製の安物だろう」という評価につながるんでは?
日本人の「控えめに謙虚」という言葉はここにはなさそうです。(ジョークとして流してください)
さて、実際に2×4材に10㎜ドリルで開けてみたのですが、間違いなくマキタの方が力がありました。
ドリルチャックもマキタの方が大きい
ドリルチャックの最大掴みサイズはEliklivは10㎜、マキタDF484DZは13㎜です。
このことからもマキタの方が大きなトルクが必要なお仕事用に設計されていると考えられます。
マキタDF484DZは職人さんなどパワーが必要な方のためのドリルだと思いました。 4×4材など木材にガンガン穴を開ける作業にはもってこいかと。
とはいいましても、Eliklivで10㎜ドリルで穴あけ時、両手でホールドせざるを得ないほどのトルクがあります。
双方ともブラシレスモーター仕様で全長の割にとてもパワフルです。
コンパクトな「Elikliv」でも「HiKOKI」の電動ドリル14.4V・ブラシモーター仕様と比べると全然パワフル。
ブラシモーター仕様の「HiKOKI」はお尻が長いですね。
微妙な速度調整ができない
電動ドリルという穴あけ用途に限って言えば、EliklivはコンパクトでトルクフルなのでDIY用としては申し分ありません。
が、azarashi工場長は電動ドリルをあまり穴あけには使いません。タップたてに使うんです。そのためには、極低速から滑らかに出力制御ができないといけません。
この微妙な出力制御という点でEliklivは失格でした。
この点は動画ご覧になるとよくわかります。
Eliklivは唐突に回転が始まり、かつ無段可変ではありません。7段(たぶん)可変です。駆動回路でそう制御されているようです。
Eliklivは、0回転から結構強めにトルクが立ち上がってしまいタップたてには使えません。 じわっと回転が始まらないとタップが折れちゃいます。
同じ理由でネジ締めにも向いていません。
「あと半回転しめたい」とか「家電等の樹脂製品のネジ締め」という場面は「ギュンッ」と一気に回ってしまうEliklivでは厳しい。
中途半端な作りはわざとかな?
マキタの類似品、中華偽物、などとかわいそうな表現されることがありますが、微妙な主力制御がイマイチなだけで他はDIY用としては完璧! よく出来ています。
ブラシレス仕様で結構パワフル。動作音もいい感じです。
粗雑な歯車を使っているようなうるさい機械音はありません。
「ギャー、ジャー」と表現されるような精度の悪いギアボックスではありません。
「ヒューン」という機械好きには心地よい動作音です。
しかも、チャックの精度もマキタと比較して同等でした。10㎜ドリルの先端のブレはほとんどありません。(目視ですが)
これで4900円です。文句の言いようがありません。
これに滑らかな回転制御を乗っけたらEliklivの電動ドリル、最強ですね。 日本製が売れなくなっちゃう。
近年の中国は電子部品大国。無段階のブラシレス制御回路なんて簡単に組み込めそうです。
7段階のカクカクした回転制御をするとはらしくないなあと、ちょっと不思議~。
本家マキタと差別化を図ったつもりなのでしょうか(笑)