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作業日誌

アルミ鋳物の溶接を頼まれましたー溶接棒は4043を使うもの?

アルミインテークイプの改造を頼まれました。 

既存のニップル2か所を撤去&穴埋めと新たなニップルの取り付けです。 これはお仕事ではなくお遊びです。(笑)

アルミ溶接の練習にはもってこいの題材が飛び込んできました。 溶接の練習材料なんて趣味の作業小屋にはほとんどありませんし、目的もなく新品のアルミ材をカットして溶接なんてもったいなくてできません。

依頼主さんは「えっと、ただでいいんですか!?」と驚いていましたが、こちらとしては「溶接向上の機会を与えてくれてありがとう」というのが本心です。
しかも、これまで溶接したことのなかったアルミ鋳物の溶接が出来るんです。「喜んでやらせていだきます!」

ニップルの撤去と閉塞

まずは撤去&閉塞作業からです。

ニップルといいましても切断すると結構大きな穴が開きます。 Φ20ほどのパイプが斜めに溶接してありますのでカットすると幅30㎜長さ50㎜ほどの楕円の穴が開きます。

タングステンビットで成形してなんとなく滑らかな楕円状にします。

次に、MDFボードの端材でぴったりフィットするフタの試作品を作ります。

おおまかな形状が出来たら、アルミ板を切り出します。 5mm厚のA5052板です。

バンドソーで外周をカットして、ベルトサンダーで断面をアルミインテーク側の形状に合わせ斜めに成型しました。

何度も現物のあわせてはバンドソーで修正を繰り返し、出来るだけ隙間がないようガンバリマシタが・・・結構隙間が空いています。 

依頼主の「穴は埋まっていればいい、裏側も適当で大丈夫」という言葉が私の作業をラフに仕向けたようです。

写真のとおり表面の外周の隙間は溶接開先として設けたかのようです。(たまたまですが)
ここを埋めれば溶接ビードを盛り上げることなく滑らかに仕上げられるのでは・・・と妄想してのですが・・・失敗に終わります。

溶接後、タングステンビットで粗削・・・   ↓ ↓  粗削り中です。

その後、フラップホイールで滑らかにしてみたのですが、クラックが出てきました。 
写真では分かりませんが、楕円の外周に沿ってほぼ一周クラックが出来ています。

ある程度予想はしていたので、「やっぱりそうなったか~」という感じです。 というわけで、溶接ビードを削って滑らかに仕上げる案は失敗に終わりました。

アルミ鋳物に適した溶接棒は

これまで溶接棒は「5356」という番手のものしか使ったことがありません。 「5356」と「4043」が一般によく販売されている番号のようです。

溶接会社などその手のプロのサイト閲覧しますと、アルミの鋳物には「4043」が適しているとの記載が・・・。 
また、「4043」優れた耐熱亀裂性を備えているとの記載もありましたので「4043」を購入して試してみることにします。
こうやって新たな作業を行うといろいろと学ぶことができていい経験になります。

購入したのは写真下側の「4043」、Φ2.0㎜ 1kg分です。 2750円でした。 こんなに安かったっけ?  半田1kg巻きだと7000円くらいしますので割安感があります。

5年前に購入した2.5kg、Φ1.6㎜とΦ2.0㎜はほとんど減っていません。 さっさと使い切って溶接経験を積みたいです。

いまさら気づきましたが、溶接棒のエンドにはちゃんと番手が刻印してあるんですね。 ちょっと読みずらいですが。

今後はアルミの鋳物には「4043」を使っていきたい思います。 次のチャンスはいつ来るのだろう・・・。

ホースニップルの作製と溶接

追加で設置したいニップルは内径16mmのホース用。 こちらの作製も合わせて頼まれました。 こんな斜めの曲面にフィットする溶接用はあまり販売されていませんので、端材で作った方が安いし早い。

Φ20mmアルミ丸棒から旋盤で削り出しました。(写真 ピンボケです。)

旋盤加工後、パネルソーで斜めにカット。 

「このくらいの角度」で斜めに溶接してほしい、の「このくらいの角度」がちょうど30度でしたので、三角定規をあててカットしました。

アルミインテーク側も同じ角度で穴あけをして内面まあまあ滑らかにしてあげます。 「中側は凸凹でもいい、ホースが繋がればOK」とのこと。 気楽にいきます。

この後、アルミインテークの3次元曲面に合わせてルーターで成形して出来るだけ隙間がないように調整しました。
調整したとはいえ所詮わたくしの手作業、材料同志の隙間が「あったりなかったり」と不均一かつ大き目。(広め)

そのため初めの仮付けに結構苦労しました。 (母材側は結構バーナーで加熱しておいたのですが、先にニップル側が溶けてしまいます。)

で、必死になっていたので完成写真しかありません。(笑)

右下の閉塞した箇所も「4043」の溶接棒でクラックに沿って肉盛りしておきました。
これで今回の作業は完了です。

初めてのアルミ鋳物溶接、いい勉強になりました。 上手く溶接できるようになりたい!という気持ちを掻き立てるいい機会でした! 依頼ありがとうございます。

と思ったのですが一瞬の気の迷いかも・・・。
記事にしている時点で「また機会があればやってみます」程度に熱は冷めています。

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