フライス作業ができるボール盤がほぼ完成しました。
「どれだけ使い物なるのか、使いもにならないのか」を検証していくという課題がありますが、だんだん次なる工作に心が移ってしまいます。
作るのって楽しいんですよね。次から次へと作りたいモノが出て来ます。
今回の作品は自作タービン。
どんなモノかは動画が一番わかりやすいです。 ご覧ください。
なぜ作ろうと思ったのか
フライス作業ができるボール盤の余ったパーツの有効活用の一環なのですが、タービン作成に至った思考の過程は次のとおりです。
①昨年集めたリニアスライドの余りや使っていないボールねじを活用すれば木工用の3軸フライスが作れるのでは・・・とワクワクしてきました。
②加えて、以前作製した3Dプリンタ―のエンクロージャーの消音効果が意外と大きかったので「小型CNCフライスをエンクロージャーに入れたら静かなフライス盤になるのでは」と妄想がはじまり・・・。
③そして、どうせ作るのなら集塵装置もセットにしたらどうだ! ということで・・・集塵機能付き低騒音木工用CNCフライス盤を作ってみよう!となり・・・。
④低騒音を謳うなら、うるさい市販の掃除機の流用ではなく「低回転で吸引できるタービン」を作ってみよう!
という流れで自作タービンの作成が始まりました。
タービンの設計
静かな集塵装置をめざして「タービンの直径を大きくして低速で吸引すれば静かになるのでは」という発想で少し大きめのタービンを作ってみます。
ということで、回転する羽根の直径は10cmにしてみました。
早速、CADで設計です。
タービンブレード

設計は適当ですが、なんとなくタービンブレードっぽくなっていませんか?
「タービン回転翼、形状」などで検索すると「等角螺旋」やら「対数螺旋」など・・・あざらし工場長の理解の及ばぬ数学が出てきます。
タービンを自作してみるという事が目的なので、効率のいいタービン形状を計算するなんてことは二の次です。 まずはそれっぽくモノを作ってみます。
タービンケース
次はカタツムリのようなあのタービンケースです。

タービンケースは上下に分かれています。
このカタツムリの様な、巻貝のような形状をどうやって描いたのか、ブログを書いている時点でもう忘れています。
3D-CAD「Fusion」を適当にいじくりまわして描きましたので、私の描き方を「お詳しい方やプロ」が見たらきっと「なんと効率の悪い描き方をしているんだ」をおっしゃるに違いありません。(笑)
あと、CADの図はありませんが、あとモーターマウントもCADで設計しています。
よって、自作タービンは「ケース上」「ケース下」「タービンブレード」「モーターマウント」の4つのパーツで構成されています。
3Dプリンタ―で印刷
4つのパーツを3Dプリンターで印刷します。
写真のとおり、タービンケースが多くのサポート材を要したため印刷にかなり時間がかかりました。
ケース上側で6時間、ケース下側で5時間ほどです。
この長い印刷時間中、ちょこっとお花見に行ったりして有効活用しました。

ケース上下の合わせ面をビルドプレート面側にして印刷しています。 (写真の状態をひっくり返した状態で印刷)
そのため印刷時に天井部分を支えるサポート材が植物のようにたくさん生えておりちょっと気持ち悪いですね。
最近の3Dプリンタ―はソフトの設計よいのかサポート材の除去が簡単です。 サポート材と印刷物本体の間の密着が弱くなるように印刷されるので簡単に剥がれてくれます。 素晴らしいですね。
タービンケース上下を合わせたところです。

3Dプリンターで印刷された模様がアンモナイトみたい。 ちょっと生き物っぽい。
タービンブレードの印刷
タービンブレードはサポート材がほとんありませんので印刷時間は1時間20分ほどでした。

こちらの方が形状が複雑なので手間がかかるだろうと思ったのですが、設計も印刷あっけなく終わってしまいました。
モーターマウントの印刷
段々、作業に夢中になってしまい写真がありません。 手で持っているのがモーターマウントです。中にラジコン飛行機用のブラシレスモーターが入っています。

CADで設計しているのでサイズに間違いはありません。 これが3Dプリンタ―のいいところですね。 パソコンでの作業は「工作している手ごたえ」がなくあまり好きではありませんが、印刷された部品がぴったりと合わさるのが嬉しいです。
試運転
運転前に気になるのがタービンブレードとケースの接触。 写真の矢印部分です。
効率よく吸気するには隙間が小さい方がいいのですが、高速回転中に接触したらブレードがバラバラになりそうでちょっと怖い。

というわけでワッシャ1枚分ブレードを下げて固定しております。1㎜くらいでしょうか。隙間が空いています。
ブレードとケースの隙間は均一に1㎜程開いているはずです。 ちゃんとブレードの形状に合わせてケースを印刷していますので・・・、

ピッタリ合って当然ですね。
試運転
実際、動かしてみてどうだったかと「感想」を言いますと・・・
こんな簡単にタービンが作れて嬉しい!
重量バランスもよく高速回転中の振動がなく回転させて楽しい!
タービンっぽい吸気音で回転してくれて楽しい!
と感動しました。
で、実際に使えるかどうかと「実験結果」をいいますと・・・ダメっぽそうです。
「吸気するという装置」としてはまあまあよくできたのですが、目的の「低回転で静かに吸引する集塵機」には不向きという事が判明しました。
サイクロンには負圧が必要
集塵に使おうと思ったのはアルミ製の小型サイクロン。 写真のようにサイクロンの吸引テストをしてみると全然吸いません。

サイクロンから延びる黒いホース先端のブラシ部分から集塵します。
ブラシ部分の直径は60㎜ほど。黒ホース内径は32㎜。タービン入口は内径42㎜。
対してサイクロン入口の内径は25㎜と結構小さい。 ここがネックとなってかなりの圧力損失が発生しているようです。
自作タービンの代わりに「市販の充電式掃除機用モーター」を使ったところ、こちらの方が全然吸います。(笑)
充電式掃除機のモーターは直径55㎜ほどで、内部のタービン直径は40㎜位しかないと思います。
そのため空気量は少ないですが、負圧が大きいため先端のブラシ部分でも結構吸引力があります。
内径25㎜の小径のサイクロンには自作タービンより市販の小径掃除機モーターの方がマッチしているようです。
悔しい・・・・(涙)
というわけでこの自作タービンはお蔵入りですね。
使い物にはならなかったけど自分でタービンを作れて楽しかったなあ。