引き出しをたくさん設置し作業小屋の収納力を上げてみました。
DIY、工作を続けいるとだんだんと工具や材料が増え置き場に困ります。世間では断捨離が流行っているようですが、材料・工具は使っていないからと言って断捨離するわけにはいきません。
これまで狭い作業小屋に「可能な限り収納棚を作り・・・」、「100均のプラボックス等を活用し・・・」、と整理整頓してきましたが限界が近づいてきました。
棚の奥に積んであるボックスって取り出しにくくストレスフルなんですよね。
おまけに、たくさんの半透明のプラボックスにいろいろなパーツが入っていると視覚的に統一感がなく、美しくありません。これもストレスの要因となり楽しいDIYの時間が台無しです。
そこでスライドレールを使って引き出しを設置することで、「収納力を上げ」、「使い勝手を上げ」、「見栄えもアップし」、さらに楽しい工作の日々を目指すことにしました。
目次
スライドレールの選択
引き出しが全開できるタイプかつ耐荷重が高いタイプを選びました。工作関連のパーツ、工具などが収納されるので結構重くなります。
重量物をスムースに出し入れできないときっとイラつくこと間違いありません。引き出しが「重い」「引っかかる」では、楽しい工作が苦痛に変わってしまいます。
今回選んだスライドレールは・・・これです。
比較的リーズナブルな価格で販売されているよく見かけるやつです。
スペックは、収納時長さ400㎜、3段スライド、全開時は800㎜になります。耐荷重はなんと45kg!
400㎜1セット(2本ペア)で1600円ほどで販売されています。
他の商品と比較したわけではありませんが、強度は十分だと思います。
1つの引き出しに45kgも入れることはまずありませんので不足はありません。
(耐荷重100Kg以上というレールもあります。)
作成後に気づいたのですが、このスライドレールは結構滑らかです。わずかな傾きでも空の引き出しがスーッと出てきてしまいます。(嬉しい)
【追記】黒くて強そうな所に惹かれたのですが、後々欠陥が発覚しました。あまりおすすめできません。同タイプの日本製をおすすめします。
材料の選択
今回の引き出し作成の目的は、収納スペースの確保です。美しい家具の作成ではありません。
よって、材料は安くて丈夫な構造用合板です。910×1820が1200円ほどで入手できます。
目的は「棚」、そう「動く棚」です。単なる棚なので「見栄えはほどほどに」ということで、すべて構造用合板で作成しました。
材料の切り出し
引き出し作成で肝心なところは、正確な材料の切り出しです。
引き出しはその名のとおり「引き出されます。」=「スライドします」。
よって、各引き出しサイズが異なっていたり、筐体がゆがんでいたりすると滑らかにスライドできません。ミリ単位の違いで滑らかに動かなくなってしまうので気を使います。
単なる棚でしたら可動部分がないため多少の誤差は問題ありませんが、可動部分がある工作は出来る限り正確にする必要があります。
そのために、正確な設計と正確な材料の切り出しが大切になってきます。
事前に念入りに設計する
設計は大げさですね。よーく考えた絵を描けばOKです。
使用する木材の厚みを考慮し1㎜単位での設計図(絵)を描きます。
こんな感じです。
全ての寸法は表示されていませんが、全て決まっています。(CADで描いているので当たりまえですね。)
立体的に考えるのに3D CADは助けになりますが、別にPCを使う必要はありません。紙と鉛筆でもOKです。
大切なのは、木材の厚みを考慮した設計です。側面の板、底面の板、正面の板がどう組み合わさるを考えて各辺の長さを決めておきます。
必要な板のサイズと数量が決まったら、購入する木材からどう切り出すかを考えます。
正確に材料を切り出す
正確に切り出すためホームセンターの業務用パネルソーを活用しましょう。
私は、丸ノコ、スライド丸ノコを持っているくせしてカットサービスを利用しています。
材料調達場所で目的サイズに切り出せるなら時間と労力の有効活用につながります。
切断時間は当然ホームセンターの方が速いですし、丸ノコの切りくずの掃除といった手間もなくなります。
今回は910×1820の構造用合板から切り出すため、A4用紙にペンで9cm×18cm(10分の1サイズ)の四角を描いてこれをどう分割するか鉛筆で描いていきます。
最終案が決まったら、ペンではっきりとわかるように切断ライン、寸法を書きこみます。
ホームセンターの店員さんが見ても分かりやすいようにとの心がけです。
そして、この木材のカット図を持参し空いている時間帯にホームセンターにGO!です。
これは、自分の工作を手伝ってくれる店員さんへの配慮です。
こうして、業務用パネルソーで切り出してもらえば各辺の長さ・直角もバッチリです。
正確な材料の切り出しができれば、半分は終わったようなものです。後は組み立てるだけです。
組み立て
とにかく筐体は正確に
ホームセンターで切り出していれば中の引き出しは全て同じサイズ(幅が大事です)に仕上がります。
が、筐体(外側の枠)が平行四辺形だったり、台形だったりすると引き出しが収まる幅が微妙に異なり、スライドレールの取り付けに四苦八苦することになります。
今回の失敗:この工作では筐体の底板は自宅の在庫品を使っておりホームセンターで切り出したものではありませんでした。
そのため上下で狂いが生じていることに気づかず、わずかに台形になってしまいました。
工作中には何度も寸法確認をしましょう。手遅れになる前に・・・。
スライドレールは手動ドライバーで丁寧に固定
次は設計どおりに左右同じ高さにスライドレールを固定していきます。
いきなりインパクトでねじ込むと必ずズレれますので次の方法で慎重に行きます。
1スライドレール固定位置にスライドレールをあてがい鉛筆で固定なネジ穴を木材に写す。
2穴位置をマーク出来たら、リューター等で事前に小さめの下穴をあけておく。
スライドレール付属のネジは皿ネジです。すり鉢状になっていますのでネジ穴が決まるとスライドレールの位置も決まってしまいます。位置を微調整は不可。ナベネジなら可能ですが。
3下穴を利用して手動ドライバーでねじ込む。
インパクトは勢いで木目に沿って一気に進んでしまい位置がずれる可能性が高いので、ここはガマンして手動ドライバーです。
以上の点を気を付けながら組み上げていきます。
正確に材料が切り出されていますので、引き出しの幅+スライドレールの厚み×2=筐体の内寸、になっているはずです。
スムースにスライドして当たり前です。心を込めて作っていけばそうなります。
前面パネルは最後に固定
前面の板は必ず最後に固定します。そうしないと各引き出し間の隙間がキレイに平行になりません。
可能であれば、引き出しを寝かせて前面パネルを仮置きしてみます。
位置を確認したら、下から順に固定していきます。こうすることで多少スライドレールの位置が正確でなくても、前面パネルがキレイに並ぶのでごまかせます。
仕上げ
最後の組み立て作業は、取っ手の固定です。この位置決めも定規などでラインを出し正確にを心掛けます。
各引き出しの取っ手位置が一列にキレイに並んでいると立派に見えます。満足度アップです。
外観の仕上げに塗装します。
構造用合板でも、角をサンディングし浸透性の木材保護塗料で色を付ければそれなりに見栄えします。
無塗装でもスライド式の棚という目的は果たされるのですが、ここでひと手間かけておくと作ってよかった~という幸せな満足感につながります。
写真はニッペの水性木材保護塗料(ウォルナット)を塗った後の色です。
私は、自宅のDIY関連で木部保護塗料を使用するときはニッペの水性保護塗料(ウォルナット)と決めています。
色を統一しておくと、再塗装が必要な時に余りの塗料を活用できて便利&経済的です。
引き出し増設(おまけ)
スライドレールに味をしめ、さらに引き出しを増設して作業小屋の快適化をはかりました。
目線の高さの棚を引き出しにしました。
これで奥に置いてあるものを取り出しやすくなります。
いい工作ができました。作業小屋に入るのが楽しみになります!