フライス盤で一番大きなモーター・・・スピンドルモーター。
スピンドル=回転軸、ですが、コレットチャックなど回転工具を取り付ける軸を指しているようです。
工具を取り付けられる回転軸とモーターが一体になったのものがスピンドルモーターと解釈しております。
ボール盤をお持ちでしたらすぐ分かるかと思います。ボール盤はモータが背後にあってベルト&プーリーでドリルチャックが付いている回転軸を回します。
モーターと回転軸が別々ですね。
スピンドルモーターはドリルチャックの軸がモーターの回転子になっています。
さて、CNCフライス盤が一般的になってきた今日この頃、ネット検索するとこれでもかというくらい種々のスピンドルモーターが陳列されています。
スピンドルモーターの選択
予備知識がありませんので、今持っている中華フライスCNC3020の付属スピンドルモーターから想像して買うしかありません。
付属スピンドルモーターは直径φ52㎜、モーター缶の高さ約90㎜の300w~400w程度のモーターです。
コレットはER11。
自作CNCフライス盤には、これより強力な、精度の高いスピンドルモーターを使わなくては意味がありません。
閲覧していうちに、値段、サイズのめぼしがついてきます。確たる根拠はありませんが、なんとなく自分がいいなと思えたスピンドルモーターを購入です。
直感がこれを買え!と訴えてきました。
根拠なき基準は、コレットがER20、水冷式です。あとはお値段。(笑)
これはお買い得です。 送料込みで30,500円也。
スピンドルモーター本体だけでなく、水冷ポンプ、冷却水パイプ、コレット1㎜~13㎜のセットです。
2.2Kwスピンドルモーター
まずは・・・重い!です。Z軸の駆動には気を付けましょう。
フライス盤の剛性を上げ切削時の振動を防止するには質量のあるデカい方がいいだろうと、大き目のモーターとしたのですが到着してビビりました。
570ccペットボトルと比較
6kgあります。鉄アレイのようです。
先にZ軸のボールねじ(RM1204)、リニアスライドを購入してしまったので、スピンドルモーターの重量に対して、ボールねじ等が貧弱ではないかと不安になりました。
また、ステッピングモーターはNEMA23/長さ56㎜と小さめなので6Kgのスピンドルモーターを上下させるには役不足かとも不安に。
不安解消のための工夫
重量サポートのためのスプリングの設置。
ネットを検索すると、さらに大きめのフライス盤にZ軸方向の重量をサポートするためにガススプリングを付けている先輩がいました。
おおおーそうか!、普通のスプリングでも多少のサポートのなるはず。このように取り付けました。
斜めのスプリングです。
左右に2本で、Z軸が下がりきる付近でスピンドルモーターの重量と釣り合うくらいのスプリングです。
Z軸ステッピングモーターの強力化
NEMA23(長さ56㎜)ではトルク不足ではないかと不安に悶々としてしまいました。心配性です。
NEMA23のさらに長いトルクが強いタイプの追加購入を検討しました。
が、Z軸のステッピングモーターが長くなると、フライス盤の高さ(身長)が高くなるので狭い小屋での設置に支障がでるため、先ほどの写真のようにタイミングベルトで減速(2:1)することでモーターを低い位置に設置することになりました。
なかなかいいアイデアです!悦
タイミングベルト、プーリーはアマゾンで調達。あまり一般人が購入しないようなものも簡単に注文できて幸せです。
20歯、40歯のプーリーと120歯のベルトで駆動します。
これで安心です。ステッピングモーターの負荷が軽減され確実な動作を期待できます。
付属の水冷ポンプについて
これもデカいです。
メーカーは検討して、付属ポンプを選択しているのだと思いますが、無駄にガタイが大きいです。電気も食いそうです。
水の吐き出し口はありますが、吸い込み口がありません。
なんと!これ水中ポンプ形式です。水槽の底部に置いて吸い上げるバスポンプのような形式なのです。
先のアリババの写真の中央部の黒いボックスが水中ポンプですが、これが水没する水槽を用意する必要があります。
ただでさえデカいのにさらにスペースをとります!要りません!
水槽用に販売されている小型の12Vブラシレスポンプ(タテ55㎜×横40㎜程度)で十分な水量を確保できそうなので、付属ポンプは倉庫行となりました。
Amazon
付属のブラケットについて
締上げるための六角ボルトが3つあります。が真ん中の1つは締上げ解除のためのネジです。
真ん中のネジを締めるとブラケット穴が広がってモーターがスムースに入ります。
このブラケットはフライス盤に取り付け用の穴が開いておりません。
ちょっと面倒ですね。自分で任意の場所に穴を開け加工が必要です。
取扱い説明書について
取説はすべて英語です。が読めなくても大丈夫でした。
コード表がたくさんあり、使い方が難解なのかと思わせますが、意外と簡単です。
手動でオンオフして調速するだけなら、設定は要りません。
モーター側の端子1=コンバータ端子W、同じく2=U、3=Vと結線して、N、L端子に100vを印加すれば回ります。
W/C=モーター側コネクター1
U/A=モーター側コネクター2
V/B=モーター側コネクター3
この組合せでなくも回転方向が逆になるだけで回るはずです。3線のブラシレスモーターならどれか2線を入れ替えれば回転方向が逆になります。
これで操作パネルのRUN、STOPボタンとボリュームの回転調整のみで使えます。
以上、中華2.2Kwスピンドルモーターでした。
購入者の自己判断で使用する機械部品の一部なので、至れり尽くせりの日本製品からすると粗雑な感を受ける方もいると思いますが、エンドミルを高速回転させるという目的には十分な製品です。
販売ページで、軸精度0.02mm以下と謳っているようにかなり精度が高いスピンドルモーターだと思います。
フライス盤完成後稼働させたときに、デカい割に静かに回転し、フライス盤本体にほとんど振動が伝わっていませんでした。
いいスピンドルモーターを購入できました!