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自作したモノ

集塵ホース巻き取り機の電動化

前回の記事の集塵ホース巻き取り機は手動。巻き取るのに何回もチェーンを引っ張る必要があります。

巻き取れるだけでも便利なのですか、試しにチェーンを電動ドリルで駆動したら楽しくなってしまい電動化することに決定しました。

概要・完成図

こんな感じに仕上がりました。

電動ホースリール巻き取り機

動画の方がこの記事よりわかりやすいと思います。(笑)  youtube「巻き取り機の電動化」

動力源

前の記事で作成した手動巻き取り機のチェーンを電動ドリルで引っ張っています。

ホースリール手前の白いパーツが電動ドリルのモーター部分。

動力伝達部

単純にチェーンをモーターで駆動するわけにはいかずちょっと工夫が必要。

・引っ張り出すときはフリーに回転
・巻き取るときはモーターの駆動が伝わる

という動作を実現させる仕組が必要。これはワンウェイクラッチでは実現出来ません。

そこで思いついたのが電磁クラッチ。この電磁クラッチ作成にえらく時間を費やすことなります。

制御回路

・プッシュスイッチひと押しで巻き取りスタート。
・巻き取り完了後自動停止。

これを実現させるため、自己保持リレーと赤外線センサーを使用。

材料

主な使用材料、パーツです。

動力源

12V充電式電動ドリルのモーター&遊星ギアボックス

分解して、モーター&遊星ギアボックスだけ使用

Amazonで2900円程で販売されている格安電動ドリルです。安かろう悪かろうではなく意外としっかりした良品でした。小型・中パワーで意外と活躍の場がありそうです。分解するのがもったいない。

電源はAC100V⇒DC12Vスイッチング電源(Amazonで2000円位で入手できます。)

動力伝達部

主軸       SC45丸棒Φ11㎜
ドッククラッチ  鉄板2.3㎜、SC45丸棒Φ5mm、スプリング
駆動用チェーン  自転車用チェーン スプロケット大(34歯)、スプロケット小(9歯)
・電磁石      SS400鉄丸棒Φ6㎜、鉄パイプΦ15㎜、ポリウレタン銅線Φ0.5㎜(100m巻き)

制御回路 

 PWMモジュール10A×2     電磁石・電動ドリルへの電力調整用

 赤外線センサーモジュール    巻き取り完了時の自動停止用

 12v⇒5v降圧回路モジュール   赤外線センサー用電源

左から、5V電源、赤外線センサー、PWM(調速回路)

電磁クラッチの仕組

市販の電磁クラッチのような構造はうちの作業小屋にある材料では難しそうです。

手持ちの材料で作成できそうな構造を必死に考えた結果、こんな装置になりました。

赤いパーツが電磁石。青いディスクが引き寄せられ、金色の駆動軸の4つの穴に噛み合います。

各パーツの作成

電磁石

4個の電磁石をレンコン状に固定して円盤を引っ張ります。

どのくらいコイルを巻けばいいのか、どのくらいの径の銅線を使えばいいのか、見当がつかないためいくつか試作。

全部で3セット(12個)作成した結果、銅線Φ0.5㎜、巻き数200回のコイルを採用しました。

磁力アップのため鉄心&鉄ケースを作成し収めています。

コイルを巻くのって地味な辛抱のいる作業ですね。何個も作ってるうちに投げ出したくなりました。

市販の電磁クラッチを購入しようかな・・・、操作の手間があるけど手動クラッチで妥協しようかな・・と。

ドッククラッチ

円盤部分(鉄板2.3㎜)はバンドソーで切り出しました。

直径70㎜程になるとサークルカッター+手持ちのボール盤ではトルク不足ですぐ止まってしまいます。

時間がかかり過ぎるためサークルカッターで少し削った後、バンドソーにチェンジです。

仕上げにベルトサンダーで外周を整えれば意外ときれいな円になってくれます。高速回転しないのでこれで十分。

噛合部の4本の突起はΦ5㎜の鉄丸棒をTig溶接しています。

主軸

ドッククラッチ主軸側の穴あき円盤もTig溶接です。

今回の工作ではTig溶接を多用しました。安価な中国製ですがうちの作業小屋では大活躍。

Tig溶接はスパッタが飛ばず繊細な溶接ができるので、このような小物の工作に最適。買ってよかった道具の一つです。

ケース(筐体)

鉄板2.3㎜製です。

昔、作業台の下敷きに使っていた鉄板を利用。

ここで自作した金属用パネルソーが大活躍です。鉄板を自分の望みの寸法で切り出せるって幸せですね。なんでも作れそうな気になってしまいます。(大いなる勘違い)

当初、加工が容易な木製ケースで作ってみたのですが上手くいきませんでした。(軸受け部は鉄ですよ)

木製は分解・組み立てを繰り返すと平行、直角がズレてしまうことがあるようです。そのためシャフトが滑らかだったり渋かったりとイマイチ。

金属パーツ同士が回転・摺動する機械モノはちょっとしたズレでも噛み合って動かなくなることを身をもって理解しました。
ガッチリと剛性があり、平行、直角が出しやすい鉄製に変更です。

鉄は加工が少々面倒ですが、分解・組み立てを繰り返してもスムースに動くので後々手間がないですね。

制御回路

電動ホースリール 回路図

動作は、
スタートスイッチON ⇒ 自作自己保持回路が自己保持開始 ⇒ PWMモジュールへ電力供給 ⇒電動ドリル&電磁クラッチが稼働、という流れです。

・自己保持回路とは、一度スイッチをチョンっと押すと電源が入りっぱなしになるリレー回路です。
・回転停止は、赤外線センサーまたはストップスイッチにより自己保持回路への12V供給をOFFにすることで行います。

今回の制御回路は、手間を省くため市販のモジュールを組み合わせたただけの単純なモノ。 市販品は確実に動いてくれるので安心です。

ざっくりとした説明ですが記事はこのくらいににしまして、後は動画をご覧ください。

機械モノの説明は動画が一番伝わると思います。

使ってみて

これは便利です。

時間的には手動で巻き上げるのと大差ありませんが、ボタン一つでホースが巻きあがってくれるのは快適です!

ですが、しばらく使ってみるといくつか改善点が見えてきました。

・たまにセンサーが反応せず停止しない。
・ホースが端からきれいに巻かれない(すき間だらけに巻かれる)ときがある。(リール幅が足りなくなりホースが収まらなくなります。)
・モーター音がうるさい。(ラジコンカーが走っているよう)

また、気分が盛り上がったら改良してみたいと思います。

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