作業日誌

サイドモニターの取り付け-原型からシリコン雌型の作製

今回の工作は、原型(雄型)を反転させた雌型の作製です。余りモノのシリコンを使ってみます。

原型の形状から左右2分割がいいと判断し、原型を横に寝かせて左右半分づつシリコンを流し込むことにします。

毎度の事ながら、「分割ラインはどうしようか、型の素材はどうしようか、原型の固定方法は? シリコンを流し込む枠は?」と構想を練っている時間が結構長い。なかなか作業が進みません。

原型の固定

今回は小さなパーツなので簡易にスタイロフォーム+ホットボンドで固定することに。

カーボンFRPの原型


鉄板にマスキングテープを貼ったモノを土台にしています。 


外周の型枠はクレオスのMr,型取りブロック。 昔購入した「1箱102個入り」が2箱ありましたので活用。 型取りブロックもホットボンドで土台に固定しています。

油粘土とヘラはいいモノを使った方がいいかも

型取りブロックで囲ったあと、工作用の油粘土で半分埋めます。 

カーボンFRP 原型から雌型

写真で見るとまあまあキレイに埋まっているなあと自画自賛しちゃいますが、実際は「この辺で諦めるか」とあまり納得のいく仕上がりではありません。

「原型を半分埋めて油粘土の表面を均す作業」と「原型と粘土の境界線をきれいに出す作業」が結構大変。思ったように進まず時間がかかります。

攪拌用の木べらを斜めにカットした適当なヘラで作業したのも一因です。 

油粘土は頻繁に使うものではありませんが、より快適な工作のため粘土細工用のスパチュラセットはあった方がよさそうです。

また粘土類の質も気になりました。

ドライヤーで油粘土を滑らかにしています

今使っている工作用油粘土(子供の工作用)はヘラで表面を均すのが難しく、ヘラに引きずられて表面が荒れてしまいます。
冬場で粘土が固めなのでドライヤーで温め柔らかくしながらヘラで平滑にしています。

温めると柔らかくなりキレイな表面が得られるのですが、軟らかいのでちょっとした力加減で凹んでしまうので繊細な作業が要求されます。
手がプルプルしたらそれが粘土表面に反映していしまいます。

集中力が必要でかなりイラつく作業となります。(笑)

こうやって粘土をいじっていると「もっと造形しやすい粘土ってないのかな?」「もっと簡単で確実な方法はないのかな?」といろいろ妄想が膨らみます。

シリコンの流し込み

ここまで来ればあとは簡単。 シリコンに硬化剤を混ぜ流し込むだけです。

指定の比率で混合するため0.1g単位で計測できるデジタル計りは必須です。FRP作業では結構重宝します。これは買ってよかった道具の一つ、生活必需品です。

デジタル計りって結構お安いので「0.1g単位の500gまでしか計れないタイプ」と「1g単位で5000gまで計れるタイプ」の2台を使っています。

※デジタル計りでも硬化剤数滴という微量では反応しませんので、自分が使うスポイトで100滴分の重さを図りそれを100分の1としてメモっています。

自分場合、100滴で4gだったので、10滴で0.4g、1滴で0.04gとメモってあります。
微量の場合はデジタル計りは使わず、何滴たらしたかで硬化剤を計っています。

古いシリコンー使えなくはない

1年以上前に購入したシリコン(開封済みの残り)を使いました。 成分が沈殿して攪拌が大変ですが頑張って攪拌すれば今回のような簡単な形状の型取りには十分使えます。

攪拌しても購入時より粘度が上がっており写真のとおりなかなか気泡が抜けません。

一気に流し込まないで型表面に塗布するように少しずつ流していきます。 塗布したシリコンに気泡がないことを確認してから一気に流し込んでいます。

気泡が抜けずこのまま固まりました。こちらの面は使いませんので問題ありません。

もう半分の型取り

土台の鉄板(紫のマスキングテープ)へはホットボンドなのでカッターナイフで丁寧に力をかけないように外します。 裏から見ると粘土が適当に詰まっております。 これを取り除きます。

これも少々面倒な作業でございます。
力をかけて過ぎると原型とシリコン型が外れてしまいます。 一度外れるとそのすき間に2回目のシリコンが浸入してしまうので出来るだけ丁寧に作業しています。

取り除いてもう一度シリコンを流し込みます。 シリコン同士の離型剤は適当に油を塗っています。

(あくまでも私の経験上の意見ですが・・・)専用の離型剤を使わなくてもシリコンスプレー(高粘度)、スプレーグリス、エンジンオイルなどぬるぬるしたモノを塗布しておけばシリコン同士が一体化することはありません。

一回目の粘土の表面に4か所凹みをつけて左右の型がズレないようにしておきました。
またまた写真を撮り忘れですいません・・それだけ粘土細工に疲弊していたようです。

左右分割型の完成

硬化⇒離型の様子です。 シリコンは「離型剤をどうしようか」「原型と癒着しないか」などと気にする必要がなく確実に雌型を作製できるのいいところ。

シリコンなので何もくっつきません。原型も粘土もきれいに剥がれてくれます。 パーツクリーナーで油粘土を取り除いてシリコン雌型の完成です。

ここからカーボンFRPの成型作業に入ります。

出来た雌型を見て、「随分とちいさな型だなあ」「こんな凹みにカーボンクロス、ガラスクロスを張り込めるのかな」と心配になってきました。


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