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自作したモノ

DIY集塵機

 工作に欠かせないのが集塵機!

 リューターなどで切削研磨という作業をするようになると頭を悩ますのが掃除機の目詰まりです。
 FRPの加工、木工、金属加工・・・をしますので普通の掃除機で吸っているとあっという間に紙パックが目詰まりして吸わなくなってしまいます。

 業務用集塵機などを買えばすむことでしょうが、また思い付いたものを作ってみたい衝動に駆られまして・・・作業小屋用集塵機を作成してみました。

構想

こんな集塵機を作ってみたい!
頭の中であたためていた妄想はこんな感じです。

1 サイクロン式でダストボックスは4リットル程度

2 動力源は通常の掃除機のモーターを使う100V仕様

3 出来るだけ静穏化

4 出力は無段階可変

これを具現化したものが、ジャン!

自作集塵機 後ろから

 全体の筐体はオール木製です。2m程度のべニア板を曲げて作ろうと思ったのですが、お湯につけてもこんな筒状には曲がりません。

 そこで使ったのが曲げ合板です。通常のべニア板は90°ずつ木目をクロスして積層してありますが、曲げ合板は木目がすべて同じ方向なので曲がりやすいのです。

 とは言っても、直径20センチ弱までまげて筒状にするためお風呂場でお湯につけました。(結構大変、もうやりません。)

 木を曲げていると楽器を作っているような気がしてきて楽しかったなあ。曲線が美しい・・・。

しくみ

 ではここからは空気の流れに沿って説明します。

1 吸引口
 ネジ部は水道のパーツです。ホースは排水口用のグレーの蛇腹です。ホームセンターで調達。

2 サイクロン部
 トタン板をはんだ付けでコーン状にしました。

 コーン形は他のページを参照して直径と長さを決定したのですが、だいたいこのような形をしていれば、かなり分離してくれますので適当です。
 〈参考に〉直径は160㎜、ストレート部は長さ100㎜、コーン部は径160㎜→径50㎜で長さは250㎜。

3 ダストボックス
 コーン部で分離しゴミは直下のダストボックスにたまります。ここは木箱などに使うパッチン錠で脱着できます。あたりまえか・・・、できないとゴミが取り出せませんね。

ダストボックス取外し

 コーン部で分離した空気はコーンのセンター部分から上のひょうたん型のなかのダクトを経由して後ろの円筒形へ吸い込まれます。

4 動力部
 円筒形の中には上から、通常の紙パック掃除機用の紙パック、その下に掃除機のタービンが設置されています。

紙パック装着

掃除機エンジン

 ダイレクトに筐体にモーターを固定すると音がうるさいので、100均のゲル状の緩衝材を使ってフローティングマウントしています。

 モーターの出力は秋月電子の「トライアック万能調光器20A」で可変させます。
 当時、調速するにはこれが最安値だったのですが、今はアマゾンなどで完成品の調光器が何百円という破格で売っていますね。

 ホント工作好きにはいい時代になりました。(^_-)-☆

 さて最後に、タービンを通過した空気は、簡単なスポンジで作った消音機を経由して排気されます。

特徴

この作品のセールスポイントを紹介します。というより、単に制作者がちょっと自慢したいポイントです。

1 曲げ合板で作った楽器のような美しさ

 メカ的な構造は普通のサイクロン掃除機ですが、曲げ合板で作ったところがセールスポイント。仕上げはステインで木目を生かしておりなかなか美しい。

 きっと集塵ホースがついてなければ何に使う装置か分からないと思います。

上から見ると楽器みたい

2 吸引力を無段階調整できる&意外と静か

 工作中の集塵って全開にする必要はありませんよね。リューターなどで切削しながら粉塵を吸引するときは、全開の4分の1くらいがちょうどいいパワーです。

 そんな使い方が多いので静かに適度な吸引力で回し続けられるのがありがたい。

3 粉塵で目詰まりしない

 FRP切削カスのように小麦粉みたいな粉塵もサイクロン部でほぼ分離するので、樹脂や貝殻など切削後に粉塵になってしまうものも躊躇せず盛大に吸わせられます。

 だいたい半年に1度くらいダストボックスからゴミ出しし、タービン手前の紙パックを交換してますが、ダストボックスには小麦粉のような粉塵もちゃんと分離してたまっており、紙パック側にはほとんどゴミがたまっていません。ちゃんと機能していて嬉しくなります!

 自分が作ったものが役にたってるよ!ってね。

使ってみて

 本作品はなかなかの秀作でした。実は6年ほど前に作ったのですが、今でも快調に吸ってくれています。

 これがないと生活に困るくらいに愛用しています。

 据え置き型なので壊れるところ言えばモーターくらいです。きっとモーターを交換して自分が死ぬまで使うと思います。(笑)

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