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作業日誌 自作したモノ

普通の車にFFヒーターを取付ける3-サブバッテリーで駆動する回路を作ります

FFヒーターを試運転をすることで必要とする電流が分かってきました。実験は大事ですね。 どんな回路にするかがだんだんみえてきました。

今回の作業はサブバッテリーによるFFヒーター駆動回路の設計となります。

電気回路って目に見えない電気を扱うので想定どおりに動くかどうかが作製中は分かりません。そして一発でうまく動くことはほとんどないんですよね。(笑)
この動くかどうか分からないモノを作っているという状態が苦手なのです!

FFヒーター消費電流の推移

1.起動直後は8.5Aほど流れる。起動~点火までは1分ほど待機。
  (点火プラグの加熱のため)
2.点火後、電流は1.8Aほどまで低下。 
 (ファンと燃料ポンプのみで電流はあまり必要としない)
3.出力強で運転時の消費電流は1.7Aほど。
  出力弱で運転時の消費電流は0.8Aほど。
4.停止させると即ポンプ(カチカチ音)が停止しファンの音が上昇します。それと同時にプラグ加熱が始まる。
  点火時と同様に8.0Aほどの電流が流れます。(1分ほど)
5.プラグ加熱終了後、0.2Aほどで冷却のためファンが1~2分回り続け、冷却完了後0.0Aになる。

FFヒーター起動時と停止時にそこそこ多めの電流が流れますので「10Aは余裕」という前提で部品調達していきます。

FFヒーター駆動はサブバッテリーで

FFヒーターを主に使うのは駐車中です。そのためパーキングヒーターとも呼ばれています。
パーキング中に使うので車両のバッテリーとは独立したサブバッテリーで動かさなければなりません。

私の場合は「朝、出勤前に車内とガラスを温めておく」という使い方がメインになりますので、朝方30分ほどFFヒーターを駆動出来る容量のサブバッテリーが必要です。

適当に10Ahのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを選びました。 ポータブル電源に使われているバッテリーですね。

後述のとおり・・・、
起動時1分間と停止時1分間に8.5Aが流れるので、8.5A×2分/60分=0.28Ah
運転中(朝の30分)は1.7A流れるので、1.7A×30分/60分=0.85Ah
0.28Ah+0.85A=1.13Ah・・・10Ah(一番小さなリン酸鉄バッテリー)で十分と思われます。
↑ ↑これは後付けの計算です。(笑)

走行中充電回路

リン酸鉄リチウムイオン電池はポータブル電源のように自宅で充電という使い方もあるようですが、車に固定して走行中はメインバッテリーから充電するようにします。
そのためするために集めたパーツがこちらです。

最近は、自作するよりモジュール化された回路を組み合わせて使っています。

これらを使ってこんな回路を作ります。

MOSFETスイッチ

これはACCからNO12V信号を受けて通電する半導体スイッチです。

とても小さいですが、15Aをオンオフできるそうです。 大丈夫かな?実際にそこまで流したことはありませんので分かりません。
リレーのように微弱な信号で大きな電流をオンオフできるのですが、入力側から出力側へのオンオフのみで、機械式リレーのようにノーマルコネクト端子はありません。 つまり「信号無し時は通電⇒信号アリで切断」という動作は出来ません。

充電制御回路

これはサブバッテリー側の電圧を監視して充電電源との接続を行う回路です。

電圧が13.2Vに低下すると接続。
電圧が13.8Vに上昇すると切断。
この電圧は任意に設定できます。 
13.2V~13.8Vの距離が近いとリレーが「カチカチ」と頻繁にオンオフ(1秒以下)してしまい暴走してしまったか・・・という事態になりますので、実際の使用状況を再現して電圧設定することが必要です。

リン酸鉄バッテリーは「充放電していないときの電圧」が、
13.6Vで100%充電、
13.2Vで60%充電、   
ということらしいので初め「13.6Vに達したらメインとサブを切断」と設定したらと次のような動きになってしまいました。

①サブバッテリー電圧が13.2V(60%)に低下
②充電開始(リレー接続)
③メインバッテリー電圧14.7Vにつられてサブ側も電圧上昇し13.6V以上に
④即リレー切断
⑤サブバッテリー電圧が元の13.2Vへ戻る
⑥充電開始(リレー接続)

これが高速で繰り返されてしまいますので、充電終了電圧を13.8Vあたりにしておきます。 
これでもリレー切断後の実際の電圧は13.6V以下になります。

リレー(機械式)回路

前掲の集合写真の赤い基板の回路です。通電でリレーが接続するシンプルな回路ですがモジュールになっているのでとても便利。
このリレー回路で「メインバッテリー」~「充電制御回路」~「サブバッテリー」を切り離しておき、ACCオンで接続しています。

これは接続しっぱなしだと充電制御回路やレギュレーターなどの回路に待機電流が流れ続けることになるのでそれを防止するためです。

レギュレーター13.8V

試運転でFFヒーターの「起動~停止」を4回目は電圧不足で起動不可に陥りました。

後述のとおりFFヒーターは起動時に点火のためプラグを加熱し8.5Aほどの電流を消費します。

8.5Aがサブバッテリーから流出し続けると端子電圧が10V以下になってしまいます。 するとFFヒーターのコントローラーが「電圧不足」と判断し停止します。 よく出来ていますね~。

そのためレギュレーター13.8Vを介して電圧低下を防いでいます。

回路の動き

基本、サブバッテリーでFFヒーターを駆動します。 レギュレーター13.8Vを介しているのはサブバッテリーの電圧低下によるFFヒーター停止を防止するためです。

実際に試作回路を車に搭載してみるとこのような動きとなりました。

①FFヒーター起動前

②FFヒーター起動直後

ACCオフのため車両(メインバッテリー)から供給されていませんので、小さなサブバッテリーはすぐに電圧低下し11.0Vほどになってしまいます。
そのためバッテリーモニターの表示は0%になります。  電圧による簡易なパーセント表示なので本当に空っぽというわけではありませんがちょっと焦りますね。

③FFヒーター安定稼働時

点火完了するとプラグ加熱をやめるので消費電流が低下し0.8Aほどになります。 そのためサブバッテリー電圧が上昇しモニターの表示は60%ほどに回復します。

④車両がACCオン時

車両側(メイン)バッテリーとサブバッテリーが接続され、サブバッテリーに充電が始まります。

先の回路を組み立てて車両に取り付けるとこんな感じでございます。 だいぶゴチャゴチャしていますね。

回路図は出来るだけ分かりやすく記載しましたが、実際に配線するとなかなかシンプルには出来ません。

写真からはみ出していますが、「電流計2個、バッテリーモニター、燃料計」をMDFボードに取り付けた仮設パネルが写真の外側右に置いてあります。

これは「ACCオン」「FFヒーター最弱」「メイン⇒サブ充電中」の写真です。
上側の電流計がメインバッテリから流れている電流。
下側の電流計がサブバッテリーから流れている電流。

ただいま・・・メインバッテリーから「サブバッテリ-とFFヒーター」側へ4.83A流れており、その内サブバッテリーからFFヒーターへ0.77A流れている、という状態です。

4.83A-0.77A=4.06Aがサブバッテリーに充電されています。

現在試運転中

先のアンダーボックスの写真の状態で試運転を続けています。(フタはしていますよ) カーゴルームの内装が一部外れておりちょっと美しくないですが、だれの目にも留まりませんのでOKです。

記事は先に試運転まで進んでしまいましたが、ポンプの取り付け、吸気排気マフラーの取り付け等の作業が残っていますので、次回はその辺を記事にしていきます。 

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