工作をしていると手元のスイッチで何かを開け閉めできたらいいなと閃くことがあります。スイッチの切替でドアや鍵をロックアンロックできないかな・・など。
ラジコン用サーボを使えば簡単そうですが、どうやってコントロールするかがちょっと問題。サーボはスイッチオンオフでは動きません。信号を送ってやる必要があります。
Arduinoなど使いこなせる方なら簡単簡単! かもしれませんがプログラミング系知識がない私にはハードルが高い。そこでサーボテスターの流用です。
ドア、鍵の開閉のようなシンプル動作ならArduinoなどのプログラミングの知識がなくてもサーボテスター流用で実現可能です。
実際に集塵システムのシャッターをサーボ+サーボテスターで開閉していますので紹介します。
集塵システムの電動シャッターは動画にしてみましたのでご覧ください。
「集塵ダクト切替シャッターの電動化」
使用する部品
サーボ1台につき
・サーボテスター ×1個
・トグルスイッチ2回路6端子2ポジションタイプ ×1個
・可変抵抗5kΩ ×2個
・固定抵抗10kΩ ×2個
電源はDC5V程度のモノを用意します。ラジコン用サーボの標準電圧は大抵4.8V~6Vです。
今回の工作では、ラジコンヘリ・飛行機でよく使われる「BEC」と呼ばれる電源を使用しました。
これは、動力用のリチウムポリマー電池2セル(7.4V)~6セル(22.2V)から受信機&サーボ用の電源5Vを取り出すためのパーツです。
また、サーボはミニサーボと呼ばれるサイズのもので、E-MAXのES08MAⅡ(メタルギア)を使用しました。筐体のサイズは、20㎜×24㎜×11㎜ほどです。
サーボテスターの使い方
ネットで安価に販売されている3個で1000円程度のサーボテスタ―についての説明です。
サーボテスターのボリュームを左にひねるとサーボが左に回転、右にひねるとサーボが右に回転します。
ボリューム(可変抵抗)には3つの端子があります。本記事では「左端子、中端子、右端子」と表記します。
左端子~右端子間の抵抗は固定値で、本製品の場合10kΩ。
各端子間の抵抗値とサーボ角度は図のようになります。
〇右方向にボリュームをひねったとき
〇左方向にボリュームをひねったとき
左にひねりきると抵抗値は、 左端子←0kΩ→中端子←10kΩ→右端子 となりますので、トグルスイッチを使った回路でこの状態を再現すればスイッチで制御できます。
トグルスイッチを使った回路
ボリュームを取り外した跡の3つの端子とこの回路を接続します。
端子間抵抗が「左端子←0kΩ→中端子←10kΩ→右端子」の状態のみを再現するとサーボがフルストロークしてしまいますので、エンドポイント調整用に可変抵抗を付けています。
サーボテスターの分解
ボリュームのつまみをマイナスドライバーでこじりながら引き抜き、両面テープで固定されている薄いプラスティック製カバーを剥がします。
剥がしたあとの写真 ↓
次に、ボリュームを外します。 3端子を同時に加熱するのは難しいので先に切断し1端子づつ外します。
ボリューム3端子の跡をきれいにして新たな半田付けの準備をしておきます。
この半田吸い取り線は結構役に立ちます。意外ときれいに吸ってくれます。
注意:ボリュームを固定しているボリュームの金属ケース(半田付けされている)が回路の一部を兼ねているモノもあります。(ジャンパー線として機能)
同じ外観のサーボテスターでも回路が異なる製品があります。
ボリュームを外して機能しなくなったら、ボリュームケース固定の端子間にジャンパー線をつなげば大丈夫。
トグルスイッチ回路の作成
トグルスイッチは、Amazonなどネットで10個900円程度と格安で販売されていますが、10個に1,2個くらい接触不良を起こすモノが含まれています。(1か月後、1つが動作不良になりました。)
中華製として割り切って故障したら交換するか、国内の電子パーツ屋さんでの調達をおススメします。
作成中の写真がなくてすいません。完成するとこんな感じです。
サーボテスターの上に、トグルスイッチ回路を重ねて収めています。ちょっと無理がありました。
下側の基盤が市販のサーボテスター。上側の緑の基盤がトグルスイッチ回路。
ゴチャゴチャと複雑に見えるのは、トグルスイッチ回路4つ分の線があるためです。
サーボコードの作成
サーボテスターから電動シャッターのサーボへの配線は2m、3mと長くなるため自作します。
市販のサーボ用延長コード(15cm程度)を半分にカットして3芯のコードを追加して延長しています。延長のため追加した電線は「オーナンバ 100V未満 ビニル絶縁丸形コード VR-SC 3心X0.2SQ 灰 20m」です。
コネクター作成キット+極薄圧着ペンチで作成することもありますが、安価なサーボ用延長コードを利用した方が作業がスムースです。
完成
実際の動きは動画をご覧ください。「集塵ダクト切替シャッターの電動化」
動画の中に5KΩ可変抵抗によるエンドポイントの調整シーンがあります。エンドポイントが調整できるといろいろ応用が利きそうです。
サーボホーン(アーム)を延長しており無理な使い方という感がありますが、シャッターのスライド部分はステンレス製なのでスムースに開閉してくれます。
このようなサーボに負荷がかかる使い方の場合、メタルギアのサーボが安心です。プラギアのサーボは衝撃でギア欠けします。
(ラジコンヘリ・飛行機で遊んでいたときは、「サーボはギア欠けしたら交換するもの」という前提で予備のギアを多量に購入していました。)
サーボテスターを流用したサーボの動かし方は以上です。
「電気にあまり詳しくないけどサーボで何かを動かしたい場合」に使える方法かなと思い記事にしましたが、速度調整もできないし・・・と要改善です。
やはり、ちょっと勉強してArduinoなどを使った方がよさそうです。