Amazonでとても便利なリレー回路をみつけました。
サーモスタットリレー!
設定温度キープするようリレーをオンオフしてくれる回路です。
これはいろいろ応用が利きそうです。 水耕栽培や熱帯魚の水槽温度管理などなど。
単純なazarashi工場長の頭に閃いたのは・・・ヒーターとこのサーモスタットリレー回路を組み合わせた恒温ボックス(FRP硬化用)です。
(どんなモノか手っ取り早く見たい方は短編動画をどうぞ。) youtubeリンク
寒い冬はポリエステル樹脂硬化速度が遅く、待ち時間がもったいないと思う事がよくあります。
硬化したかな~と楽しみにがレージ行くとイマイチ半乾き(カチカチには硬化していない)でガックシということが度々。
冬季でも確実にポリエステル樹脂が硬化すれば工作の楽しさアップ間違いなし!
材料
使用パーツは次のとおりです。
・PTCセラミックエアヒーター AC100V 300W 2169円
・サーモスタットリレー回路DC12V 1150円(2個で)
・ブロワーファン DC12V 1602円
・デジタルLCD温度計 1199円(4個で)
・6㎜MDFボード
主なパーツを説明します。
PTCセラミックヒーター
半導体セラミックを使ったヒーターで、一定の温度に達すると電気抵抗が高くなり電流が抑えられ温度が制御される発熱体らしい。
熱源(ヒーター)を探して初めて知りました。
当初、単純にニクロム線で加熱しようと思ったのですが、ニクロム線は赤熱するまで温度上昇しますので火災の危険があります。
また、ガラス管など耐熱の材料を用意しなくてはなりません。手間がかかりそうです。
Amazonを閲覧していると2169円というお手頃価格でアルミフィン付きのPTCセラミックヒーターが販売されているのを発見!
これなら送風用ファンを用意するだけで簡単にドライヤーが作れそうです。
2169円でアルミフィン付きとは、自作の苦労と時間を考えたら破格ですね。
どんな特性か実験
熱くなり過ぎないように100V調光器を経由して加熱してみたのですが、電流の調整は不要でした。100Vコンセント直結でOKです。
100Vコンセント直結のまま放置しても一定の温度を保ってくれます。正確な温度は分かりませんが、非接触温度計(金属では不正確)であちこち計ると平均160度ほどでした。
サーモスタットリレー回路
便利な完成基板です。取説は同封されておらず基板のみ送られてきます。
「適当にいじればなんとなく設定方法が分かるでしょ」というノリで販売されています。
使い方は完全に解読していませんが、「目標温度」、「リレーオン・オフの温度幅」のみ設定し使用しています。
完成後、実際には次のように設定しています。
・設定温度45.0℃
・オン~オフの幅0.5℃
・リレー動作 設定温度より低温側でオン、高温側でオフ(設定画面の表示はH)
この設定だと、スタート時(室温)→ 45.0℃の間はリレーオン、 45.0℃に達したらリレーオフ、 44.5℃に下がったらリレーオンという動作を繰り返します。
とっても便利!
サーモスタットリレー設定方法
Amazon販売ページの「設定一覧表」を参考にいじくりまわして分かった使い方を記録しておきます。
7セグLEDの下にある3つのスイッチで設定します。(左SW、中SW、右SWとします)
電源投入時は、センサー感知温度を表示。
1 目標温度の設定
左SW押 → 設定温度画面へ移行
中SW押 → 設定温度Up、(長押しで高速移動)
右SW押 → 設定温度Down(長押しで高速移動)
左SW押または放置で元の温度表示へ戻る。
2 リレー動作の設定
左SW長押し → 動作設定モード(P0~P6)へ
P0表示時に中SW押 → P0→P6を繰り返し移動
P0~P6表示中に再度左SW押 → 各P(1~6)の設定画面へ移動
P0=リレー動作設定(CかHの選択)
中SW、右SWでCかHを選択→左SW押で設定完了→P0表示に戻る。
Cの時
スタート時(設定温度より低温の場合)~設定温度まではリレーオフ。
設定温度+振れ幅(P1で設定)に到達時リレーオン。
設定温度まで下がるとリレーオフ。
例 45℃(振れ幅0.5℃)に設定すると・・・
45.5℃でリレーオン→45.0℃でリレーオフの繰り返し。
冷却モードという意味だと思います。冷却ファンのオンオフに使えそうですね。 今回の「ヒーターをオンオフして高温をキープ」という用途には使えません。
Hの時
スタート時(設定温度より低温)~設定温度まではリレーオン。
設定温度に到達でリレーオフ。
設定温度-振れ幅(P1で設定)まで下がるとリレーオン。
例 45℃(振れ幅0.5℃)に設定すると・・・
45.0℃でリレーオフ→44.5℃でリレーオンの繰り返し。
加熱モードです。ヒーターをオンオフさせて一定温度をキープさせられます。
※注 この回路のリレー端子はノーマルオープンのみです。よってリレーオンの時のみ外部機器に通電させられます。
P1=リレーオン~リレーオフの温度幅の設定
0.1℃刻みで2℃まで設定できます。
P2=設定温度の上限を設定
上限は110℃までです。
P3=設定温度の下限を設定
下限は-50℃までです。
P2とP3で「1 目標温度の設定」で設定できる温度の上限・下限を決めます。
P2=40℃にすると「1 目標温度の設定」画面で45℃に上げようとしても40℃までしか上げられません。
安全対策でしょうか? 趣味利用ではあまり意味のない設定画面です。
P4=温度校正
実際の温度との差を校正。リレー回路の温度表示と市販の室温計はほぼ同じだったので使用していません。
P5=Delay Start Time
開始時間の遅延? 数値を変えても動作の違いを確認できませんでした。
P6=高温警報
設定温度になると温度表示が---(バー3本)になります。音は出ません。
ブロワーファン
対角で10cmあるDCファンとしては比較的大型のファンを使用しました。 遠心式なので意外と風量・風圧があります。
PCなどに使用する冷却ファン(50㎜角)では風量不足でした。
箱型・定温ドライヤーの作製
上記の3点を使って温度を一定に保ってくれる箱型ドライヤーの作成にかかります。
作製の様子は動画が分かりやすいと思います。 折りたたみボックスの様子とかもわかりやすいです。youtube
回路、PTCセラミックヒーター、ブロワファンを収めたケースは5.5㎜MDFボード製です。
PTCセラミックヒーターは160度程度にしか達しないことと、ブロワファンの送風で常に冷却されていることから耐熱性は考慮していません。
実際1時間くらい連続運転してもケースは暖かい程度です。 火災の心配はなさそうですが自分の監視下で使います。
この箱型ドライヤーを組み立て式ボックス(MDFボード製)にネオジム磁石で貼り付けています。
「箱型・定温ドライヤーを脱着式に」、「ボックスは折りたたみ式に」として使わない時はしまっておけるようにしています。
狭い作業小屋の有効活用です。
使ってみて
作っている最中は「こんなに手間かける必要あるかなあ・・・段ボール箱とドライヤーでいいんじゃない?」なんて弱気になっていましたが、やはり道具はあると便利です。
FRPの積層が終わったらボックスに入れてスイッチオンで放置できます。これは便利です。気が楽です。
スマートに作業が進み工作技術が上達したみたいです。(錯覚です)
実は、動画の中のFRP作業は失敗してゴミになっています。FRP作業を快適にする道具を作ったものの肝心の作業技術がまだまだです。
これからはこの恒温ボックスを活用してFRP製品をサクサク作れるように精進します!