前回の記事のとおり分割型(雌型)の作成方法がだいぶ分かってきました。
写真では同じ分割型に見えますが、その後のカーボンパーツ成型で失敗が続き何度も型を作り直しています。
「分割ラインが悪く成型後に型からパーツが外れない」「離型剤をワックスだけにしたら固着して型から外れない」など・・・雌型を4回作り直す羽目に。
写真はワックスだけで成型したところ離型しなくなったところ。分割ラインが適正でなかったこともこの失敗の一因でした。
ちなみに、差し込んである木片は木製スパチュラです。
はちみつ、ジャム、エステのワックス、などで使用される「業務用使い捨てスパチュラ」として販売されているモノ。
100本=500円位で販売されていますのでとってもお買い得です。
樹脂の攪拌はもちろんのこと、先端を斜めにカットすれば離型用のクサビにもなりかなり有用。FRP工作のお供となっています。
雌型を2分割、3分割にするか
悩むほど難しいことではありません。下図のように離型時に型と成型品が離れる方向に動けるか考えればOK。
垂直部分が上に開き気味なら離型OKですが、垂直(向かっている面が平行)なら離型はほぼ不可能です。型と成型品をスライドさせることになるからです。
離型剤が塗布されているものの離型前は弱い糊でくっついてるのと同じです。固着している面をスライドさせて引き離すのは至難の業です。
成型品が型の面が離れる方向に引っ張れないと外れません。
よって、四角い箱の形状(向かい合う面が平行)の場合は分割型を作製することなります。
3分割の雌型の作製
さて、何度も離型に失敗した末、3分割型を作製することになりました。
今回の原型は2分割ではどうしても向かい合う面で平行な部分が出来てしまい、離型に四苦八苦したためです。
雌型作成のいい練習です!
まずは底面部の雌型。
つづいて左右の分割型の成型となります。 作製方法は前記事のとおりで工程が一つ増えるだけです。
文字で書くと簡単ですが、原型に合わせた分割用の面を作るのが一番の難関。
上の写真のように、「原型に合わせた分割面の切り出し、分割面を適正な位置に固定するサポート材」といった工作に時間を取られます。
「なかなか作業が進まないなあ、諦めちゃおうかなあ」なんて思うのがこの作業中。(笑)
「分割面のセットという図画工作」を経てようやく積層作業に入れます。 ↓↓ 積層中の図
3面積層すると原型ががっつりとFRPに覆われます。 初めのころは「これ、外れないんでは・・・」と思いましたが、
離型剤にPVAを使っているので離型は簡単。 パリン・・とあっけなく離型します。
完成した3分割型でございます。
素人でも丁寧に作業すれば使える雌型が出来るんですね。 この雌型はこの後の成型に何度も耐えてくれました。
インフュージョン成型をするならフランジ部を広くする
3つ前の写真に注記したようにフランジ部分を広めにとり、インフュージョン成型の作業スペースを確保しておきます。
こんな感じで樹脂注入口など設置する幅が必要です。
初めのころの雌型は、材料をけっちってフランジ部分が狭かったためインフュージョン成型の準備がやりにくかったんです。
海外youtubeの説明動画を見ながら「フランジ部分がずいぶんと広いなあ」と思っていたのですが、意味があったんですね。
簡単なことですが、自分でやってみてようやくわかりました。
学んだこと:型は材料&手間を惜しまずしっかりと作りましょう。
では、次の記事でインフュージョン成型の試行錯誤で学んだことをまとめてみます。
追記
後日、動画にまとめてみましたのでご覧ください!