鉄ってサビさえ無ければ「そんなに硬くなく、溶接が容易で、安価で」と、便利な材料です。
最近、リン酸という防錆&サビ取り剤を使うようになって鉄ってDIY向けのいい材料だなあと思うようになってきました。
格安サビ取り&防錆剤
リン酸とはこんなモノです。 Amazonで購入しました。 2000円~1600円程。
市販のサビ取り剤の成分によく入っているモノです。が、食品添加物なんですね!
この85%リン酸を水道水で薄めて使っています。 希釈は適当に重量比で5倍位です。
どのくらいの濃度になるのか試しに計算してみます・・・。
リン酸85%の比重は1.8。つまり100gのリン酸の体積は55.5㏄。
55.5㏄(100g)のリン酸85%に500㏄(500g)の水を加えると・・・
85/(100+500)=0.1417・・・14.17% (こんな計算でいいんでしょうか?)
さび落としによく使われるサンポール(洗剤)は9.5%の塩酸。 14.17%はちょっと濃いめの酸でちょうどよいかなと。
この溶液をティッシュなどで鉄サビに塗ると数分でサビがなくなっていきます。とっても便利。
溶接焼け(青は300℃程に加熱すると発生する薄い酸化膜)もサッと除去できます。
サビ除去後、リン酸液を拭きとってそのまま乾燥させてもなかなかサビが発生しません。
ネットで調べると鉄製品の塗装過程にリン酸鉄処理という工程があるようです。
リン酸を主成分とする処理液に鉄を漬けると鉄材とリン酸が反応してリン酸鉄なる膜が生成され、これにより防錆性アップ、塗料の密着性アップに寄与するとのこと。
確かに説明のとおりリン酸でサビ取り後にサビは再発しにくいんです!
azarashi工場長の感覚ですが、(室内使用の場合)リン酸で処理した鉄製品は1年くらいしないとサビが発生しないというイメージがあります。
お手頃価格のリン酸ってDIY向きのサビ取り&防錆剤ですね。
バイクなどの大き目の鉄製品のサビ取りなどに活用できそうです。
取り扱い注意
リン酸水溶液は手袋を使ってご使用ください。
手に傷がなくても爪の間などから浸み込んでいるような感覚で皮膚にズンっと重い痛みを感じます。
azarashi工場長は、キッチンハイター、アセトン、ポリエステル樹脂、バーツクリーナー等々なんでも素手で触るタイプの人間ですがリン酸水溶液だけは直接触りたくないです。
直感的に避けるべき痛みを感じます。
サビの再発を防いでいます
ちなみにサンボールなどの塩酸で黒皮除去(サビ取り)をしますとすぐにサビてきます。
写真左:サンポールでサビ取り後6時間経過。 写真右:リン酸でサビ取り後2週間経過。
リン酸を知らなかったころは、サンポール=塩酸 ならサビ取りバッチリだ~と思っていましたが、今ではサンポールは使っていません。
黒皮鉄板の黒サビ除去にも
このリン酸、黒皮鉄板の黒皮除去にも大活躍しています。
ホームセンターで売っている鉄フラットバーやLアングルは大抵黒い皮のついた鉄材ばかりです。 黒皮を丸ごときれいに剥がしたいときにリン酸を活用しています。
黒皮のLアングルを切り出した部品をリン酸につけると、切断面も黒皮面も同じような鈍い灰色になりいい感じになります。
1~2時間くらいで黒皮が浮いてきます。
アンティークな雰囲気の鉄材ができました。 カッコいいので塗装せずそのまま使っています。
黒皮鉄板と鉄ミガキ材
余談ですが、DIYには鉄ミガキ材がおすすめです。
黒皮鉄板は熱間圧延された鉄の表面にできる酸化鉄=黒サビが付いたままのモノ。
製造工程が少ないので一番安い鉄材と言えばたいていは黒皮鉄板だと聞きました。 黒皮のおかげで赤サビも発生しにくいのでホームセンターで扱いやすいのかな?
安価で入手しやすいものの、黒皮って結構強固なんです。 硬度はよくわかりませんが鉄本体より硬いと思います。
azarashi工場長のてきとーな感覚でいいますと・・・
黒皮を溶接のため研磨して落とすときはダイヤモンドディスクで撫でるものという認識があります。
サンドペーパー製のフラップホイールではなかなか削れません。
当然、ディスクで研磨すると鉄本体の表面がギタギタになってしまいますので、きれいに落としてそのままの地肌で使いたい時はリン酸となるわけです。
最近は、黒皮鉄板を使わないで「鉄ミガキ材」を注文することにしています。
黒皮除去の手間を考えると、ちょっと高めでも鉄ミガキ材を購入した方がお得だと思います。 ミガキ材は表面もきれいで出来上がったモノが美しいので満足度大です!