アルミ板や鉄板などの切断はちょっと手間ですよね。みなさんはどんな工具を使っているんでしょう。
海外のDIY動画を閲覧していると、バンドソーやコンターマシンで丸棒や角棒といった金属材を切り出しているのをよくみかけます。
そして私の悩みである「金属板の切断」には意外と切断砥石よく使われています。
海外のDiyerはスペースに余裕があるのか、盛大に火花を飛び散らかしても大丈夫そうです。
が、日本の住宅事情ではそうはいきません。
金属切断用 丸ノコを選んだわけ
切断砥石は、自分的には「切断面が美しくなく少々乱暴な切断方法だなあ」と感じてしまい、うちの作業小屋では採用したくなかったんです。
そう、美しい切断面を求めていました。
だいぶ前から、プロクソンの卓上テーブルソーにオプションの超硬チップソーを装着して使用しているのですが、これが無茶苦茶よく切れるんですよね。
初めはとても感動しました。
小さなモーターなので厚さ1,2㎜程度までに限定していますが、鉄もステンレスも刃こぼれすることなくきれいに切断してくれます。
板モノの切断には超硬チップ一択、と心は決まっていました。
この卓上テーブルソーの大きいバージョンを作れば板モノ金属の切断は完璧なはず、ということになり、「電動丸ノコ+超硬チップソー」を使った金属切断機の自作にとりかかりました。
金属切断用 ミニパネルソーの作成
初めに完成品をご覧ください。
パネルソーの設計
自作フライス盤のようにきっちりとは設計しませんでした。次の大まかな構想のみで、あとは現物合わせで作っていきました。
〇サイズは700㎜四方。
〇素材は5㎜厚アルミ板とAmazonで売っている2040アルミフレーム。
〇スライド機構もAmazonで売っているフライス盤用のスライド(750㎜)。
〇丸ノコは、日立工機の165㎜の丸ノコ。
〇刃は、モトユキのグローバルソー・鉄ステンレス兼用FO-160。
〇スライドは余っていた12vギアードモーター+全ねじ。
フライス盤と同様ステッピングモーター+ボールネジと思ったのですが、単純にゆっくり上下できればよいので、シンプルな装置とする。
〇制御回路もシンプルに上下にリミットスイッチが付いているだけ。
ギアードモーターは既成品のDCモーター調速回路で駆動し、上下スライドの速度は調整できます。
構造は見てのとおりシンプルです。(パネルソー裏面です↓)
〇5㎜厚のアルミテーブル(700㎜×700㎜)の裏に、フライス盤用のリニアスライドを2本固定。
〇写真の左側にある、金色の缶(ギアドモーター)とそこから延びる全ねじ(ホームセンター建材コーナーで売っているΦ8㎜ステンレス全ねじ)でリニアスライドを上下。
〇リニアスライドに10㎜厚のアルミ板(250㎜×280㎜)を固定。
このアルミ板をくりぬいて、丸ノコを固定。
このくりぬき作業に自作フライス盤が活躍しました。
10㎜厚のアルミ板を人力で切り出すの至難の業です。やる気が起きません。
が、CNCフライス盤なら切削開始後は何もしなくてOKです!
切削中にほかのことが出来ます。
集塵にはこだわりました。
作業小屋内で使用するので、一部しか覆っていない純正のノコ刃カバーは切り取り、自作ステンレスカバーを取りつけました。
掃除機ホースの固定部(写真の薄いグリーンのパーツ)は現物合わせのFRP製です。
FRPは好きな形に造形できるので便利ですね。
丸ノコの取っ手は切り落として、FRPで現物合わせのアームを作成して固定しています。
使ってみて
意外と役に立っています。
パネルソーといいながら、ストロークは460㎜しかないミニパネルソーですが、金属の丸棒、角棒、アングルなどの切断したいときに「作ってよかったー!」という実感がアリマス。
丸鋸のスライド速度を電動モータでゆっくり定速にしているため、切り口が一定してきれいになります。
どうしても「一定速でゆっくり刃が進行する」という工作機械風な切断機を作ってみたかったんです。
最後に、きれいな切断面をご覧下さい。
4.5mm厚 黒皮鉄フラットバーの切断面。
Φ15mm炭素鋼S45Cの切断面(手前がミニパネルソーの切断面)
切断面がキレイなのはパネルソーで電動送りだからではなく、単に使用している刃がいいだけなのかもしれませんが、きれいに切れて満足です。