今回の工作はブラシレスモーターの実験でございます。
低速で力強く回転してくれるモーターをさがしており、たどり着いたのがブラシレスモーター。
ブラシレスモーター購入の理由
現在稼働中のパネルソーはハイコーキの普通の丸ノコを流用。
金属切断がメインなので回転数を下げてカットしたいときがあるのですが・・・、
市販のコントローラー(AC100V用)で速度を落とすとそれに比例してトルクも細くなるため、チップソーが切断対象に接触したとたん回転数が下がってしまいます。
電動工具(AC100V)の「整流子モーター」やラジコン等の「DCブラシモーター」は回転を下げる=電圧、電流を下げることになるためトルクの低下は仕方がありません。
そこで、電動自転車・スクーター用の巨大ブラシレスモーターなら「低速チップソー」(妄想中)の動力源にいいんでは? と試しに購入してみました。
ちょっと巨大なブラシレスモーター
こちらが巨大ブラシレスモーターです。 巨大といっても模型用のモーターばかり見てきた私の感覚での話。
シャフト径はΦ10㎜。モーター本体(円筒部)の直径は63㎜、長さ80㎜。KV値=120、というスペック。
KV値とは1Vあたりの無負荷回転数のこと。
今回のテストは24v電源を使いますので、24V×KV値120=2880rpmということになります。
コントローラーで最大回転と指示した時に2880rpmで回転するはずです。
ケーブルには4㎜のバナナコネクターがセット済み。 4㎜コネクターとそれに見合ったケーブルがセットされていることからそんな大電流は流れないようです。
電動ラジコンヘリの場合、バナナコネクタは5mmや6㎜を使用しケーブルも写真のモノより倍の断面積があります。
コントローラーからブラシレスモーターへは最大90A~100Aくらい流れます。
それと比較するとこのモーターサイズにしては細いケーブルだな・・・という印象。
かなりお安いブラシレスモーターコントローラー
合わせて購入したブラシレスモーターコントローラーです。 Amazonで2500円ほどでした。
出力電流は最大16Aとかなり低くめ。 入力電圧は36vまで。
自作向けの基板タイプはこれしか見つからなかったので、低出力ですが実験ということでガマン。
(パワー不足でしたらラジコンヘリ用のコントローラー(100A程まで可)を購入して試してみます。)
Amazonで2個別々に購入したため片方には取説はありませんでした。 販売者によって説明書が入っていないようです。
結線の仕方はこのようになります。
それでは、作業小屋にありました24V電源を使用して駆動実験に入ります。
コントローラーの結線
回転速度の制御は基板上のボリュームで出来ますが、外部入力端子からPWM信号で制御したいところ。
外部端子からコントロールするには次のように結線します。
〇ジャンパーピンを外すと外部入力で制御。付けたままだと基板上ボリュームで制御。
〇基板上のランドを短絡させると上から2番目の端子にPWM信号を入力して制御できます。
〇ランドを短絡させずそのままの場合、上から2番目の端子に0V~5Vの電圧で制御できます。(外部ボリュームを接続となります)
入力信号(PWM)を発生させる回路はこちらを使いました。
ステッピングモーターコントローラーとして販売されていたはずですが今探しても見つかりません。 1個当たり数百円程度だったと記憶しています。3,4個セットで購入しました。
実験の様子
とりあえず動かしてみて、回転数、電流、電圧を確認してみます。 こんな感じに配線してテストしてみました。
現在妄想中の低速チップソーは低回転&高トルクにしたいので1軸を2モーターで駆動する予定。
低速と言いましても2500rpm~3000rpmをめざしています。通常の丸ノコは5000rpmほど。
そのため、写真のように1つのPWM信号で2つのモーターを制御します。 これで2モーターとも同じ回転になるんでしょうか。
回転数の確認
結果はつぎのとおりです。
モーター1 モーター2
高速時 2817rpm・・・2821rpm・・・・回転差 4rpm
中速時 2166RPM・・・1717rpm・・・・回転差449rpm
低速時 1748RPM・・・1163rpm・・・・回転差585rpm
低回転程差が大きくなっていくようです。
ほぼ全開で使用することになるので、低速時の回転差は問題ありません。(たぶん)
電流・電圧の確認
今の段階では無負荷状態でしか確認できませんが・・・自作電流計に接続してみます。
無負荷・最大回転時で1.6A程です。
ここで簡易的に負荷をかけてみます。皮手袋でモーターを押さえます。
ブラシレスモーターはモーター缶が回転するモノが多いんですよね。 ラジコンカーなどでなじみのある普通のDCモーターからすると外側の筒が回るって変な感じがします。(動画を見ると分かります。)
このモーター缶を手袋で掴んで負荷をかけますと、同じ回転数をキープしようとして電流値が上がります。
コントローラーからの周波数で回転数を制御しているので、負荷がかかるとその周波数(回転数)を保てるよう電流値を上げるようです。1.6A⇒7Aまで上昇しました。
これぞ私が求めていたモノ! 低回転・定回転で力強く粘るモーターです。
早速、このモーター×2を動力源とした自作チップソーの設計に入ります!
直径305㎜チップソーを使った狭い作業小屋の卓上に設置するコンパクトな切断機を作る予定です。