当ブログのリンク先には広告が含まれています。

工作メモ 自作したモノ

簡単な引き出しの作り方 【木工初心者】

参考youtube動画

最近、狭い小屋を有効活用すべく「引き出し作成」にハマっております。

簡単に「出す」「しまう」ができる引き出しは小スペース有効活用の必須アイテム。

引き出しにモノがしまわれて部屋がすっきりしていると幸せな気分になります。

でも、引き出しってちょっと面倒な工作なんですよね。

単なるボックスや棚などと比べると稼働部分があるため正確な作業が求められます。工作精度が悪いと、滑らかに動かない、ガタガタするなど 後々ガッカリしてしまいます。

最近、調子に乗って作った引き出しは合計17段。簡単に作る勘どころが分かってきました。

家具のような立派な引き出しではなく、DIY初心者が簡単に作れて満足度大な引き出しを目指しました。(私は木工初心者です。)

(余談ですが)
作業小屋に訪れた「DIY超初心者」に「引き出しすごーい、プロみたい」をお世辞を言われ調子に乗ったazarashi工場長は、「こんな工作でもすごいと思っちゃうんだ。ではこうやって作っているんだよ・・・と記事にしてみよう。」と思いこの記事を書くに至りました。

材料の準備

必要な材料は次のとおりです。

 〇スライドレール
 〇構造用合板
 〇接着剤(速乾木工用ボンドorタイトボンド)
 〇コーススレッド
 〇ステイン等の木部保護塗料
 〇取っ手

スライドレールについて

3段引きスライドレールを使用して引き出しが全開になるようにします。

少しレール代が高くなりますが、後々便利で満足感が大!です。

スライドレールを使用しない木と木が摺動する桐たんすのような構造は上級者、職人向けです。 滑らかに引き出せるようにするには正確な木工が必要です。

対して、スライドレールを使えばだれが作っても滑らかに引き出せます。

今回使用したスライドレール・・・・スガツネ工業 LAMP 3段引 横付 スライドレール

ネット検索しますと同じタイプの中国製スライドレールが上位にヒットしますが、できれば日本製を探すことをおすすめします。
中国製は耐久性がイマイチです。前の記事「スライドレール 滑らかだけど耐久性が低い中国製・渋いけど耐久性が高い日本製」に失敗談があります。

組み立ては接着剤とネジだけで簡単に

市販の引き出しをみると「底板は側板に溝掘り加工して固定」されていたり、と結構初心者にはハードルが高い加工がなされています。

自分が使う引き出しならもっと簡単に接着剤とネジで箱を作ればOKです。

〇接着剤は、速乾木工用ボンドかタイトボンド(あまりホームセンターでは販売されていない)
〇コースレッドは、(材料が12㎜厚の場合)軸細コーススレッド径3.3㎜、(材料が9㎜厚の場合)ダンドリビス径2.6㎜

木材は構造用合板

簡単工作というコンセプトで作成するなら構造用合板がおすすめです。

〇理由1 ステインなどで塗装すれば結構見映えするのでお安い板で十分。

〇理由2 箱を組む際に合板の断面(木口)にコーススレッドを打つことになりますが、構造用合板だと裂けることがない。

普通合板だと簡単に裂けてしまいます。

合板の木口のネジ 割れ

普通合板の断面と構造用合板の断面を比べると、普通合板のほうが繊維の細かい(詰まった)木材が使用されており強そうですが、しっかり詰まっているのが原因か?断面にねじ込むと簡単に裂けます。

対して、構造用合板をは若干粗い木材が使用されておりスカスカ感があり、この粗さがコーススレッドを木口から打ち込んでも裂けない理由のようです。

引き出しから作成

正確に材料を切り出します。工作の基本ですね。このためにパネルソーを作りました! 記事「パネルソー: 板材を正確に切り出すDIYの必需品」

(あたりまえですが)全ての引き出しがピッタリ同じ幅になる必要あります。

正確なカットに自信が無い場合、ホームセンターで切り出してもらいましょう。

こうやって 並べたときピッタリとそろっていないと後々面倒になります。

パネルソーで正確に切り出し

正確な箱づくりに工作の腕は関係ありません。いい道具(パネルソーなど)を使えば誰でもできます。

切り出した材料を接着剤とコーススレッドでハコにしていきます。

接着剤はお馴染みの木工用ボンドでも大丈夫ですが・・・、私はフランクリンのタイトボンドを愛用しています。

タイトボンドと木工用ボンドとの違い
接着時
〇タイトボンド:はみ出したボンドを湿った布で簡単に拭き取れる。しかもベタつかない。
〇木工用ボンド:はみ出した所の乾燥がすぐに始まりベタベタ皮膜になり取れない。→ 後日、はみ出し箇所に塗料のしみ込まずはっきり見えてしまう。(これが一番こまる)
硬化後
〇タイトボンド:適度な硬さがあり切削が簡単。
〇木工用ボンド:弾性があり切削困難。

接着剤と併用でコーススレッドを板材の木口に打ち込みます。

この際、木口のセンターに正確にコーススレッドが到達するよう下穴(平面側のみ、木口側不要)を開けておくと工作がサクサクすすみます。

コーススレッド用の下穴を開けておく
ネジ径+0.5mm程度のドリルでゆるゆるの穴を開けておきます。

引き出しの箱組み完成。材料が正確に切ってあると誰が工作しても同じサイズ。

引き出し箱組

レールの固定(引き出し側)

上下位置の確認

事前の設計時に「各引き出しの高さ」「引き出し間のすき間」は設定ずみですが、レールを固定する前に改めて各引き出しのレール位置を図にして再確認です。

スライドレール位置確認のための図

①各引き出しの底辺から〇〇㎜(任意)の位置にレール中心を設定(上記の例だと30)
②各引き出し間の距離を確認(上記の例だと5)
③各引き出しのレール中心線の位置をケース側の底辺から〇〇㎜とメモる。

これは少々面倒ですが、紙+鉛筆で各レール位置をよーく確認しておき、「勘違い固定」しないようにします。(たまに、どうしてこうなった?的な勘違いが発生します)

図のとおりにラインを引いて、レールを固定すれば上下の位置関係は完璧です。

前後の位置の確認 

ここが一番シビアなところ。

スライドレール最短時に「引き出しの前面とケース側の前面が面一」~「引き出し前面が1㎜弱飛び出す」状態になるように固定したいので・・・、

「引き出し側に固定されるレール」と「ケース側に固定されるレール」の位置関係を確認しておきます。

スライドレール位置関係

写真のスライドレールの場合、内側レールと外側レールのエンドが同じ位置ですね。

これを覚えておき引き出し側レールから引き出しが少し(1㎜程度)飛び出すようにネジ止めします。

この作業を慎重に行わないと引き出しの前面パネルが凸凹になってしまいます。

レールのネジ止め

先ほど図で設定したとおり各引き出しの底辺から指定の位置にラインを引きスライドレールをコーススレッドで止めていきます。(図の例だと30㎜)

引き出し側レールの固定

ケース(筐体)の作成

この段階では引き出ししか作成していません。

「引き出し+スライドレール」を実際に並べて幅を確認してケース側を組み立てていきます。

「引き出し+スライドレール+1㎜」程度の幅にします。

私を含め初心者は現物合わせが安心です。(写真だとステンレス定規を挟んでちょうどよい幅)

引き出し幅を現物合わせで確認

レールの固定(ケース側)

先ほど図で設定したとおりの位置にラインを引きスライドレールをネジ止めしていきます。
レールの固定は手動ドライバーで正確に固定。インパクトだと木目に流されてしまうことがあります。

引き出しを挿入してスライド具合を確認

引き出し作成→現物合わせでケース作成・・の順で作成していれば問題ないはずです。

調整なしで各引き出しがスライドしてくれると嬉しいです。

引き出しの挿入 スライドレールの動き確認

前面パネルの固定

引き出しを挿入したまま寝かします。

前面パネルを仮置きして各引き出し間の隙間を確認。

ちょうどよい厚さの端材など板状のモノを利用して各引き出しの隙間が同じになるように固定していきます。

固定は、簡単に接着剤+コーススレッドです。
(板厚12㎜の場合)コーススレッドΦ3.3㎜×25㎜
(板厚9㎜の場合)ダンドリビスΦ2.6㎜×20㎜

塗装

私は木目が生きるステイン系の保護塗料を使用しています。が、ここは自分が好みで何でもよいと思います。

塗装箇所は、前面パネルと上面、側面です。要は見える所だけです。最低これだけ塗っておけば見映えします!

レール外して全面に塗るのは骨が折れますので省略です。

取っ手の固定

最後の楽しい作業。取っ手でだいぶ雰囲気が変わります。部屋の雰囲気に合わせて自分好みの取っ手を選んで取り付ける至福の時間です。(自己満の世界です)

取っ手はネットの方がお安いですが、ホームセンターでもお買い得の取っ手はあります。

写真の取っ手は2個セット198円とリーズナブル。昭和なレトロな感じで気に入っています。よく棚から売り切れています。

最後の仕上げです。慎重に取っ手がセンターに来るよう気を使います。

一番下の取っ手をセンターに固定後、取っ手の左右どちらかの辺から垂直にマスキングテープを最上部の引き出しまで貼ります。

これに合わせて他の引き出しの取っ手を固定しています。

取っ手が直線上にあると「いい感じの引き出しですね~」となります。

取っ手が直線上になく凸凹していると「初心者まる出し工作」になります。

完成

引き出し工作は、「各引き出し幅が同じであること」「ケース(筐体)の内寸が正確であること」「各引き出しのスライドレールが正確に固定されること」など気をつかう箇所が多いですが、完成後の満足感も大きいです。

3段引きスライドレールで全開できる引き出しは簡単に奥までアクセス出来、あくせくしないでストレスフリーです。

簡単に「出す」「しまう」、ができると工作がはかどります。

-工作メモ, 自作したモノ

© 2024 作業小屋のあざらし