チップソーを使った切断機を作製中でございます。 求めるスペックは・・・
・電動で超低速スライドができる。
・切削油や水をかけながら切断できる。(金属や水晶などの鉱物の切断用)
・切込み深さ100㎜以上(チップソー直径は300㎜程のものを想定)
です。
今回は「超低速でスライドさせる」ための機構の試作記事です。
稼働パーツなので動画を見た方が伝わりますね。 記事しましたがこちらをご覧ください!
主な駆動部品
余っていた材料で出来る機構を作ってみました。
数年前に作製したレーザーカッター(すでに分解してしまいました)に使用していたボールねじとリニアスライドが活かせます。(捨てなくてよかった~)
余っていたボールねじ、リニアスライドは、
RM1204 ボールねじ と サポートユニット(ベアリングホルダー)BK/BF10
MGN12 ミニチュアリニアレールガイド と ベアリングブロック
です。
これは、CNCマシンの材料としてAmazonなどで安価に販売されているものです。
滑り具合、精度は中華製なのであまり期待してはいけませんが、私の趣味レベルでは何の問題もありません。
ステッピングモーターは、NEMA23 (56㎜×56㎜×56㎜の立方体サイズのモーター)を新調。
ボールねじの直径(両端のベアリング部分)が8㎜なのでステッピングモーターも8㎜タイプを購入。
組み立て簡単アルミフレーム
フレームはSUS社製のアルミフレームを組み合わせて簡易に作製。 こちらも作業小屋に余っていたモノです。
エスユウエス(SUS) SF-20・40
エスユウエス(SUS) STナット SS(M5)
エスユウエス(SUS) DブラケットSS
この3点があれば四角い枠を自在に作れます。結語部分もスライドさせられるので試作品にはもってこいです。
揃った材料を並べてみます。
アルミ、ステンレスの光沢はいいですね。 なんか、金属の組み合わさった機械って好きです・・。
組み立て作業
アルミフレームにレールを固定し、フレーム同士をくっつけて・・・と見てのとおりの作業。
SUS社のアルミフレームは「溝をスライドするナット」で固定するので固定位置を後から移動できます。
融通が利くので「あ、やっぱり20㎜内側にずらしたい・・・」との変更が簡単。 気楽に作業を進められます。
ちょっと手間なのがネジの長さ調整。
このように専用ナットをフレームに入れてネジで締め付けるのですが、微妙なネジ長が要求されます。
ネジを締めきっても底部に接触してはいけません。
固定する対象物の厚さによっては市販のネジ(10㎜、12㎜、15㎜)ではいい塩梅にならないことも多々あります。
今回の作業でもいくつかのネジはグラインダーで削って短くしました。
リニアスライドレールの微調整
金属ブロック同士のスライドなので左右のレール間の距離は出来るだけ正確にする必要があります。
木工の引き出し用スライドレールは多少の寸法違いを吸収してくれますが金属同士はそうはいきません。
ノギスで平行を出したつもりですが、「天板のネジ締め付け時」と「天板のネジゆるゆる時」では滑らかさに違い出てしまいます。
天板のネジ穴は0.2㎜大きめに開けてあります。ネジゆるゆる状態でスライドさせ動作確認後締め付けます。
ボールねじの取り付け
まず、サポートユニット(ベアリングホルダー)BK10(大きい方)にボールねじを取付けます。
こちらのゴッツイ方がスラスト力を受けるベアリングになります。
スラスト力を受けてもガタが発生しないよう周り止めネジ?で締め付けます。回転が渋くならない程度まで締め付けます。
そして周り止めネジをイモネジで固定。 こんな当たり前のことを記事したのはイモネジ内部の締め付け機構に感動したからです。
中華製の安価なパーツでしたので「イモネジ締めたらボールねじ側の山がつぶれるだろ」と思っていたのですが大間違い!
ちゃんとネジ切された円筒パーツが出っ張ったり引っ込んだりするんですよ!
ボールねじをサポートユニットに固定後の図 ↓ ↓ 。 ボールねじを左右に引っ張っても全くガタを感じません。
反対側のサポートユニット(ベアリングホルダー)BF10(小さい方)へのボールねじの固定はスナップリングのみ。 こちらはスラスト方向にガタがあっても問題ありません。
ボールねじ&サポートユニット(ベアリングホルダー)を固定しますと、写真のとおり天板とスライドブロックの間にギャップがあります。 結構ありますね。
これ以上サポートユニット(ベアリングホルダー)と天板を近づけることは出来ません。お互いが接触してしまいます。
たまたま偶然?ギャップが16㎜ジャストしたので8㎜厚アルミ板を2枚重ねてネジ止めすることに。
ギャップが16.2㎜とか端数があったら薄い金属シートを調達して調整しなくてはなりません。
少しでもギャップがあればボールねじがたわんでしまいますので。
ステッピングモーターの取り付け
ゴッツイ側のサポートユニットにフレキシブルカップリングを介して固定します。
フレキシブルなので多少の軸線のズレは吸収されるかと思いますが・・・それに甘えてはいけません。出来るだけ芯出しはします。
写真の状態からカップリングをスライドさせて抵抗なくボールねじに挿入できる位置を探します。
その後、イモネジで固定。 これで機構部は完成でございます。
電源を繋いでテストです
写真のように12v電源、コントローラー、ドライバーを接続してステッピングモーターを動かしてみます。
配線の仕方はコントローラーの端子部分とドライバーの端子部分に表記があるのでなんとなくわかります。
Amazonの販売ページによっては配線図が掲載されていることもあります。
(製品には取扱説明書などは付属されておりません。(笑)さすが中国、分かる人だけ購入してくださいと言わんばかり)
テスト結果は良好!! いい感じにスライドしてくれます。動作音も気持ちいいい!!
これはこのまま使えそうです。