木材へ直径30㎜の穴あけが必要になりホールソーセットを購入してみました。
工具って、中華製の格安品から高額な日本製までかなりの価格の開きがありいつも悩んでしまいます。
ネットでは外見そんなに変わらないし・・・価格差=品質差なのか、流通の違いなのかもしれないし・・・、道具なので実際使ってみないと分からなし・・・と。
考えても答えはでないので、今回はあまりに安すぎるAmazonのホールソーセットをお取り寄せです。
かなり迷いましたが、格安品をテストしてやろうっとの思いからポチリました。
これは超硬チップタイプ(主に金属用)です。
バイメタル・HSSと表記されているよく見るタイプ(エアコンの穴開けなどに使う円筒形のノコギリ)にすべきかと悩んだのですが、木材だけでなく、鉄、アルミも穴あけできたらいいな、ということで超硬チップタイプを選択。
初めに結論
すこ~し安物買いの銭失いになりました。使ってみての感想を箇条書きにすると・・・
・鉄、アルミは厚さ3㎜までなら穴あけ可能。
・超硬チップのロウ付けが雑なため、超硬チップの高さ(実質3㎜程度)以上の深さは穴開けできません。
・木材は5mmずつ進めていけば30㎜でも穴あけ可能。ちょっと手間。
・鉄・アルミ(ただし3㎜まで)の穴あけする予定がないなら本製品は買わない方がよい。
・木材に穴あけするなら本製品のような超硬チップタイプではなく、バイメタルタイプがよい。
となります。
まあ・・こんなもんでしょうという結果ですね。鉄もアルミも木材も!と欲を出して失敗しました。(使えないわけではありませんが)
実際に使てみた様子を動画にしてみました。記事を読むよりわかりやすいと思います。
製品について
近くで見ると粗が分かります。 外周は少しロウ付けが汚いかな?程度ですが、
内側にロウ付け金属がかなりはみ出しています。超硬チップの高さ以上の切削ができないのはこれが原因です。
また、写真ではわかりにくいですがチップが末広がりにロウ付けされております。
外周部分の接触抵抗を減らすためと思われますが内側のことを考えておりません。内側は上に行くほど狭くなるため切削屑が詰まり「キューッ」というブレーキに似た音とともに止まってしまいます。
切削屑を巻き込んで表面がめくれ上がったコア ↓ 表面に多数のひっかき傷があります。
他のホールソーと比較してみましょう。
同じくAmazonで購入した格安品ですが、単品で販売されていたホールソーです。
だいぶ丁寧に作られています。これで厚さ15㎜のアルミをくり抜きました。ちゃんと使えます。
それでは、今回購入した格安ホールソーセットの使った感想です。
アルミへの穴あけ
Φ22㎜でテスト アルミ5mm
最初の2㎜、3㎜は旋盤の切削屑のようにきれいに削っていきます。このまま切削できれば星5つだったのに・・・。
その後、切削抵抗が急に大きくなりなかなか進まなくなります。
前述のとおり、チップの位置が適正でなく内側が狭まっていくためブレーキがかかってしまいます。5分00秒ほどかかりました。
残念ながら3㎜程の板材までと割り切るしかありません。
くり抜いた穴の内径は22.5㎜
鉄への穴あけ
Φ22㎜でテスト 黒皮鉄板3㎜
初めはビビりが激しく、こっちがビビッてしまうかなりの騒音ですが、1㎜程進むとビビり音がなくなってきます。
使用ボール盤が鉄に対してトルク不足で容易に止まってしまい時間がかかりました。5分20秒ほど。
板厚が3㎜とチップの高さ以内だったためアルミの時のようにブレーキがかかるような止まり方はしませんでしたが、ボール盤のトルク不足のため少しでも強めに押し付けるとチップ切削面の抵抗に負けて止まります。
格安ですがちゃんと超硬チップを使っているようで軟鉄くらいでは刃こぼれは発生しませんでした。
くり抜いた穴の内径は22.5㎜
木材への穴あけ
Φ30㎜でテスト 構造用合板12㎜。
最初の半分くらいはスムースに切削しますが、途中から切削抵抗が大きくなり焦げ臭くなってきます。
アルミの時と同様、内側にチップロウ付け金属がはみ出しているためチップの高さ以上に穴が開くと急に進みが遅くなります。
木材の場合、5mm程切削したら内側のコア部分(まだ材料側についたままの状態)をノミや鋭いマイナスドライバーなどで取り除けられるため、ガンバレば深さ30㎜でも穴あけできます。
ただし、無理に穴あけを進めるとホールソー内部にドーナツ状の木材が詰まってしまい取り出すのに苦労します。
木工用のホールソー(バイメタルタイプ)は側面に穴があいており詰まった木材をマイナスドライバーなどで押し出すことができます。
本製品はそれができません。詰まったコアを破壊するしかありません。
くり抜いた穴の内径は30.2㎜
反省
今後は、「一品一品必要なサイズのみ」、「ある程度しっかりした製品」を購入します。