歯車・プーリーと軸との回り止め、といえばイモネジ。 ラジコン少年だった中年なら何度も締めてきたことと思います。
だんだん年を取り工作対象物が大きくなってきますとイモネジでは止められなくなってきます。
現在作成中の金属用バンドソーの駆動軸はΦ20㎜。 イモネジで回り止めするには負担が大きすぎます。
そこでキー溝加工に挑戦してみることに。
プーリー側にキー溝加工するにはブローチが必要です。(内径側に溝を掘るのでフライス加工はできません)ほかにも加工方法がありますが、一番DIY向きなのがブローチ加工です。
ブローチ加工をする前にお約束のDIYをやってみます。
手持ちの工具でなんとかする
自作好きが必ず通る道「自分で何とかする」をやってみなくては次に進めません。
「高価なブローチを購入せずともなんとからんかの~」と手持ちの工具でチャレンジです。
今回の加工対象はアルミプーリーなのでジグソーテーブル(テーブルソーの丸鋸ををジグソーに替えたモノ)でもなんとかなるだろう! と試してみました。
頑張れば加工出来そうです。 (すいません、写真ありません)
アルミの端材を加工したところ正確なサイズの溝は無理ですが、まあそれっぽい凹みは加工出来「回転を止める」という目的は果たせそう。
あまりきれいに加工できなくても軸穴の中こと。 外から見える箇所ではありません。
「格安キーをはめ込むなら高価なブローチでのキー溝加工は不釣り合い!」と、少々雑な加工で妥協するのもアリかと思います。
が、将来への投資と言い訳しキー溝加工用ブローチを購入いたしました。(本音は楽をしたかっただけです)
キー溝加工用ブローチの購入
格安品です。 中国から直送のため中身はガタガタで直径の表示シールなどご覧の有様です。
azarashi工場長が購入した商品はこれです。
Amazon商品名「HONFAM キー溝 ブローチ B C プッシュ型 HSSキー溝切削工具 18個 セット」
購入価格は26,600円。 たまにしか使わないのでちょっと高いなあと躊躇しましたがこれがないときれいにキー溝が掘れません。
使い方ですが、ノコギリのように刃が並んでおり片側から反対側に向かって刃が少しずつ高くなっています。これを軸穴に押し込むと、少しずつ高くなっていく刃が少しずつキー溝を切削していきます。
当然、これ単品では使えずプレスする装置とセットで使います。 プレス装置がない場合はアーバープレスなどのハンドプレスで押し込んでも使えるようです。
アーバープレスとはこんな道具です。 (写真はAmazonから)
ネットで油圧プレスを自作している方をよく見ますので、「これを機にプレス機の自作を楽しめるかな?」なんて妄想してしまいましたが、ここでプレス機自作に寄り道している時間はありません。
今回は特別に応急処置的な使用方を取ることにしました。
ブローチの使い方(プレスがないときの応急処置)
それは「トンカチで叩く」です。
本来は加工対象物に写真のようにセットしトンカチではなくプレスするものです。
ブローチの各刃のお仕事はノミ(木工でつかうやつ)でコツコツと削っているのと似たようなものだろうと考え、トンカチでコツコツ削ってみました。
これが意外とうまくいきました! 相手が柔らかいアルミなので当たり前といえば当たり前。
主軸駆動用プーリの加工後
被駆動ホイールの加工後
6㎜幅のキーがピッタリです。 買ってよかった~!
少々高価な道具ですが、これがあれば歯車・プーリーを使った工作への敷居が下がります。 また使う時が来るでしょう。
さて、プーリー側の加工ができたら、軸側の加工を行います。
軸側のキー溝は簡単
本記事はキー溝加工用ブローチの紹介なので軸側の加工は完成写真だけです。
軸側は専用の刃物は必要なくフライス盤などで掘ればOK!
自作CNCフライス盤で加工しましたがサイズを誤りました。 溝が長すぎですね。
特に問題はありませんのでこのまま使用します。
少々高価・・・でも価値ありです
キー溝加工は少々お値が張る道具が必要になる万人にお勧めできるものではありませんが、機械系自作大好き人間ならブローチセットは持っていてもいいかもしれません。
アルミの歯車・プーリー限定の話ですが・・・
〇 トンカチでコツコツと切削すれば10分ほどでキー溝が掘れます。
〇 キー溝の出来はなかなかキレイです。
対して、手持ちのジグソーなどで頑張ると苦労の割にあまり美しくないキー溝が出来ます。
と、比較考慮しますと「購入してよかったー!」の一言であります。