丸ノコなどの電動工具を購入してしばらくすると「テーブルに固定してより安定的に」、「より正確に」カットしたいと思うものです。
自分はあまり木工をしないためテーブルソーへの興味は少なかったのですが、電動工具も増えてきたことだし、工作技術を上げる題材としてテーブルソーを自作してみようと、ひらめきが下りてきました。
切断系の電動工具すべてを一つのテーブルで活躍してもらうというひらめきです。5in1テーブルソーです。
5inなんて書きましたが、もちろん数が多ければいいなんて思っていませんよ~。
できれば、丸ノコテーブル、ジグソーテーブル、ルーターテーブルと、別々に常設してある方が工具交換の手間がなく断然効率がいいし、工作のモチベーションが上がります。(涙)
狭いスペースを有効活用せねば・・と頭をひねることでいろいろな工作課題が生まれ、工作の経験を積めるのだー。と狭いことを積極的にとらえています。
「貧乏は人を発明家にします!」
将来、広い工房へ移動するための経験値up工作です!
5in1の5とは
今回の工作では、丸ノコ、ジグソー、ルーター、ニブラー、パネルソーを一つにまとめました。
〇本体
ランバーコア21㎜で机のような箱を作成。 テーブルとしてはちょっと高めの100cm。
〇天板
構造用合板12㎜を3枚接着し36㎜厚の合板を作成。この上に5㎜厚アルミ板を固定しています。
総厚さ41㎜の重い天板となりましたが、これはテーブルソーを「高い棚への踏み台」として乗るための剛性確保です。
通常こんなに分厚くする必要はありません。
〇工具の交換方法
シンプルにネジで脱着します。
天板の5㎜厚アルミ板を290㎜×140㎜のサイズでくり抜きます。
同じサイズのアルミ板を別途4枚用意し、この4枚のアルミ板に、丸ノコ、ジグソー、ニブラー、ルーターを固定します。 ↑(前、掲載写真のとおり)
これら4枚の電動工具付きアルミ板を交換することで工具の入れ替えを行います。
〇電動丸ノコ
ハイコーキのFC6MA3を使用。丸ノコ径は165㎜です。
これのアルミベースの4隅に4㎜のネジ穴を開け固定します。
290㎜×140 ㎜アルミ板には刃が顔を出すスリット+25㎜程太い長方形の穴を開けます。 刃の角度を90度~45度傾斜させるためです。
しかし、45度傾斜させる幅を確保すると、90度直角(通常の使用時)時には天板に大きな隙間が空いてしまうので、アダプターが必要になります。フタですね。 少々面倒でした。
こんな時自作CNCフライス盤が活躍してくれます。鉄ノコ、ヤスリなど手動工具で削り出していたら大変です。
〇ルーター
アルミ製のベースの材料接触面には2㎜厚程の樹脂板が皿ネジで固定されています。
これを取り外し、この皿ネジのネジ穴を利用して、290㎜×140㎜アルミ板に固定します。
ルーターも丸ノコのように刃物の出口にアダプターが必要です。ルータービットは、径の細いものから末広がりの太いものまで種々あるのでどうしても必要になります。
〇ジグソー
一番簡単に固定できました。ジグソー本体の鉄製ベースの4隅に4㎜ネジ穴を開け290㎜×140㎜アルミ板に固定します。
ジグソーは傾けて使用する予定はないのでブレード用の長方形の穴を開けて終了。
〇ニブラー
電動ドリルを動力源とする簡易な電動ニブラー(Amazonで3000円程とリーズナブル)を使って自作しています。
動力源は古い車用のインパクトレンチです。インパクト部分は取り除きモーター&遊星歯車のみを使用。
記事「電動ニブラー」を参照。
ニブラーは初めて使うのですが、プラバン、アルミ板、ステン板といったジグソーでは暴れてしまう薄板を簡単にくり抜いてくれます。かなり使えます。さすが薄板専用工具です。
〇プロクソンサーキュラーソーテーブル(ミニ電動丸鋸)
型番№27006の丸ノコ部分を移設しました。
プロクソンの超硬丸鋸刃を広いテーブルで使いたい故の移設です。
記事 「プロクソンサーキュラーソーテーブル」参照
この丸ノコは刃の直径が50㎜しかなくお値段は4000円程と割高ですが、超硬丸鋸刃はかなり優秀です。
購入当初、あまりの小ささにそんなに使わないだろうと思っていたのですが、いつの間にか私の作業小屋ではボール盤に次ぎ使用回数が高い電動工具となっています。
〇金属用パネルソー
側面に約700㎜×700㎜の昔自作したミニパネルソーを組み込みました。
材料屋さんから届くアルミ板はチップソーカットされ、その切断断面はとてもきれいです。同じようにカット出来たらなあとの思いから作成した金属用ミニパネルソーです。
記事「ミニパネルソー金属用」参照
作ってから、あまり使わずほったらかしだったので活用すべく組み込みました。
以上、電動工具5点を一つのテーブルで使用できるようにしました。
後日、丸鋸ガイド、切り屑の飛散防止ガラスを設置しました。
まとめ・・・使ってみて
しばらく使ってみると一番使用頻度の高い電動工具が自然と常設されていきます。
結局、プロクソンの超硬丸鋸、ニブラー、金属用パネルソーの3点が現在設置されています。
金属用パネルソーが常設されることで、鉄板の切断、10㎜と比較的厚めのアルミ板を気軽にカットできるようになったのが一番の利点です。
「どんな素材でも思い立ったらすぐカットできる」のが理想です。
今回の工作で5in1なるものを一生懸命作りましたが、「5in1は不便である」との結論に達しました。
調子にのって詰め込んだものの、「複数の電動工具を交換する」という使い方はやはり不便です。
狭い日本、狭い作業小屋ならではの工夫なので仕方がありませんが、広い作業スペースにはかないません。
丸ノコでカットしたあとジグソーを使いたい・・よくある工作場面です・・・となるといちいち天板から丸ノコを外してジグソーを取付けることになります。
別々の機械が並んでいる方が断然楽ですよね。
5in1だと、気軽に工具を使えず「ああ、交換するの面倒だなあ」「やめとくか」とモチベーションが下がるところが痛いですね。
いい経験になりましたー。 広―い作業小屋をめざしてガンバルぞー。