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自作したモノ

超!静かな集塵システムを作りました 2

この記事は、前回概要を説明しました集塵システムの作成過程と運転結果をまとめたものです。
1 集塵機タービン用防音ボックス
2 サイクロン集塵部
3 シャッター
4 配管
5 運転結果(吸気量、負圧、音量、音質)
以上、5項目に分けました。
  運転結果は動画の方がわかりやすいです。↓↓

1集塵機タービン用防音ボックスの作成

タービン本体の改造

噴き出し口の除去のみです。ターボ車のタービンに似た形状で噴き出し口があります。この噴き出し口がボックスに収める際邪魔になりますのでリューター切断しまた。
この手の樹脂系のパーツの切断やくり抜きは、直径3㎜程のエンドミル形状の先端ビットが一番です。

研磨ではなくザクザクっと削っていくので粉塵も舞わずスピーディーに切断できます。塩ビパイプにも有効です。

防音ボックス

防音は質量のある物質で遮るのが一番効果があります。重さが気にならない据え置き式の集塵機ですから鉄の箱としました。

お手軽な薄めの2.3㎜鉄板をTIG溶接で箱にし、スプレー糊で吸音材を内部に貼り付けました。

鉄製防音ボックス

鉄製BOXに排気口をくり抜くにあたりプラズマカッターが活躍しました。
あまり使われないので役に立つ時が来て喜んでいるに違いありません。(♫いっつも泣いてたートナカイさんが・・・~喜びました~の歌を連想します)

プラズマカッターで切り抜き
年月日は未設定のためうそです。

金属のくり抜き作業にはプラズマカッターが一番ですね。超早いです。
10cmほどの一辺の切断時間は約8秒です。

プラズマカッターで鉄板くり抜き

タービンの固定

12㎜合板に転倒防止用ジェルを介して固定しています。この板をBOX内に固定します。
これでいくらかは振動防止に寄与するかなと。

集塵機タービンの固定
集塵機タービンの固定

タービン入口には掃除機用の紙フィルターを設置しサイクロンを通過したゴミによるタービン破損を防いでいます。
紙フィルターが吸い込み口に負圧で張り付かないよう、金網を10㎜程浮かして設置しクリアランスを確保してあります。

集塵機タービン 紙フィルター
集塵機タービン部 完成

制御パネル

集塵機タービンは24Vブラシレスモーターで駆動され制御用のコントローラーが付属しています。
前回の記事のとおり、2つのタービンを同時に一つのボタンでコントロールするために4チャンネル無線リレーを使用しています。
この4チャンネル無線リレー、自作回路、12VACアダプターをMDFボードの箱に収めましたものが制御パネルです。

ブラシレスタービンを無線リレーで制御

ブラシレスタービンを無線リレーで制御

万が一無線リレーが故障したときのため、手動のポテンショメータに切り替えられるようになっております。

中央のトグルスイッチ(小)2つを切り替えると無線機能が無効になり、アルミの丸いつまみで調速できます。

電源とコントローラー

24V電源とコントローラーは抱合せて12㎜合板に固定。
24V電源の冷却ファンが思いのほかうるさく、弱で運転中のブラシレスタービン(防音後)と同じくらいのボリュームです。
そのため、一度分解して冷却ファンに抵抗を介し、適度な音量になるまで回転数を下げました。(冷却能力の低下になりますでの自己責任ということで。)

集塵機タービンと制御パネル
集塵機タービン防音ボックス、電源、制御パネル

2 サイクロン集塵部の作成

タービンが2台なのでサイクロンも2台並列となります。

下部のダストボックスは5㎜MDFボード製です。単純に木工用ボンドで箱を作っただけです。

内部のゴミの溜まり具合の確認用に除き窓を付けてみました。写真立て用のガラス板が余っていたのでピッタリサイズにフライス盤で切り出してみました。

フライス盤は設定や材料固定が少々面倒ですが、完璧にピッタリサイズに加工できるので結果早く美しく仕上がります。ちょっと嬉しい。

フライス盤で切り出し

作成作業の簡略化のため、サイクロン部の前後の接合部やダクト2本→1本の合流点はMDFボード製のボックスとしています。

集塵システム エンジン部完成
集塵システム 動力部完成

パイプの接合部が滑らかでなくボックス状だと明らかに効率が悪そうですね。
効果のほどは分かりませんが、バイクのエキゾーストパイプのように滑らかに合流させたかったなあ。

FRPでいつか集合管を作ってみよう!(工作に終わりはない)

3 シャッターの作成

排水用塩ビ管の接手とMDFボードから出来ています。
グレーの筒は、塩ビパイプの接手を中央で切断したモノ。ここにパイプを差し込みます。接着はしません。

集塵システム シャッター

滑らかに内部のシャッターがスライドすればOK、と思って使ってみると問題点が発覚。

開いている時には戻らないようにロック機能が必要でした。
負圧がかかるとシャッターが引き込まれ閉じてしまいます。

とりあえずクリップでつまんで押さえています。このまま改良することなく使いそう・・・。

4 配管について

配管は排水用の塩ビパイプ呼び径65、50,40を流用しているので特に工作というものはありません。

ホームセンターの配管コーナーで組み合わせを考えながらウロウロすれば出来上がります。

配管の様子
配管の様子

5 運転結果

これはいい!満足です。
目的どおりとても静かで大風量!

今まで、通常の掃除機エンジン+排水ホース内径32㎜の自作掃除機を使っていましたが、風量が別物です。

内径54㎜~70㎜のパイプでこれまで以上に激しく吸い込んでいます。太いパイプにゴォーと吸い込まれていく様は恐怖を感じます。(ちょっとだけ)

では、その様子をご覧くださいといいたいのですが、写真では伝えようがありませんので数値で伝えます。

風速の比較

風速計を内径71㎜のパイプ内に固定し測定した結果です。
各掃除機のダクト径は71㎜ではありませんが、インクリーザー(径変更)ですべて71㎜パイプを吸引させた結果です。

ツインエンジン旧自作掃除機 紙パック掃除機 
17.1m/h2.7m/h5.7m/h
21.2m/h3.8m/h10.2m/h
28.0m/h4.2m/h12.6m/h

すばらしい!ツインエンジン集塵機は弱の時でも他の掃除機の最大風量を上回っています。(ご満悦)

負圧の比較

負圧は、吸い込み口にΦ8の透明パイプを取り付け水柱を何㎜持ち上げられれるかを測定しました。

ツインエンジン旧自作掃除機 紙パック掃除機 
水柱265㎜(954hPa)水柱610㎜(920hPa)水柱710㎜(911hPa)
水柱405㎜(940hPa)水柱805㎜(901hPa)水柱1700㎜(813hPa)
水柱815㎜(900hPa)水柱980㎜(884hPa)水柱2200㎜(764hPa)

残念ながらツインエンジン集塵機がダントツで弱いです。

体感的には吸い込み口の勢いはツインエンジン掃除機が一番激しく感じるのですが、吸い込み口を閉塞した時の負圧は弱いんですね。
おそらく、日本製の100V掃除機用タービンは金属性でインペラーとケースの隙間が少なく発生させられる負圧が高いのでしょう。

aliexpressで購入したブラシレスタービンのカタログデータは負圧=12KPaと記載されていました。

12KPa=水柱1223㎜相当(たぶん)なので、「上記表-ツインエンジン-強が815㎜」は、配管の隙間による損失を考慮すれば妥当だと思います。

家庭用掃除機の水柱2200㎜って異常だなあ。カーペットのゴミを吸い出すための強大な負圧ですね。

騒音の比較

ツインエンジン集塵機は鉄壁の防音加工を施しているので圧倒的に静かです。
強モードにしても本当に全開なのかと疑うくらい静かです。
音の「うるさい」「静か」は感覚的なものなのでAndroidのアプリで測り数値で表してみます。

ツインエンジン旧自作掃除機 紙パック掃除機 
37dB45dB50dB
42dB45dB53dB
46dB47dB55dB

ツインエンジン集塵機が弱の時でも、他の掃除機の最大風量を上回っていました。同じ風量で比較すると55dB-37dB=18dBの差があります。

ですが・・・、このアプリでの数値はあまり正確ではなさそうです。
調べると、一般的な紙パック掃除機は強モードで65dB程度であり、このアプリではだいぶ低めに表示されていますね。
正確な数値はともかく、同じマイクから拾っているの音圧の差の確認にはなると思います。

デシベル数値での音圧の差は、ネットで見たdBの換算によると・・・6dB=2倍、12dB=4倍、18db=8倍、20dB=10倍 とありましたので、ツインエンジン集塵機(弱モード)8台を同時稼働したときと紙パック掃除機(強モード)同音量ということになります。

デシベルの考え方はちょっと難しく、例えば・・・80dBの犬が2匹同時に吠えると、80dB+80dB=160dBではなく、音量2倍=6dBなので86dBになるそうです。
私の頭にはなじみません。

この考えが正しければ、18dBの差は8倍なので=8台同時稼働ということになります。

騒音計を見ながら音量を体感してみると、感覚的にこの数値は正しいように思えます。
確かに紙パック掃除機の強モードは激うるさいです。

音質の比較

人間のうるささの感覚には音質も大いに関係します。
スピーカーのチェックなどに使える音質を測れるアプリも色々ありますので、ついでに測ってみました。
「Spectroid」というアプリです。

まずツインエンジン集塵機(強モード)の音質です。

集塵機タービンの音質
ツインエンジン集塵機の音質

次は、紙パック掃除機(強モード)の音質です。

紙パック掃除機の音質

紙パック掃除機は、波形が高く(音圧が大)、波形全体が右寄り(周波数が高い)です。
甲高く、うるさいということがグラフでもわかりますね。

まとめ

風量、音量、音質を比較して数値的にも、ツインエンジン集塵機は、静かで風量が大きい集塵機であることを証明できました。(する必要はないのですが・・・)

作業小屋で稼働させていると「マイルドな音質かつ大風量」で思わず笑みがこぼれます。
風量・音量・音質とも納得の集塵機に仕上がりました。満足です。
いやー、楽しい工作だったな~!

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