アザラシの競争
人は「競争者」になるためでははく、「創造者」になるために生まれてきたのです。
こんな言葉を聞いたことがあります。
この言葉を胸に私は工作に励んでいます。(笑)
なぜかというと、競争を念頭に置いた「安く手に入る」「早く手に入る」「手間がかからない」という視点からすると自作は割に合わないからです!
でも創造したい「クリエイティブな活動をしたい」というのは人間の自然の欲求です。・・・と思ってます。
なので、「自分は創造者だ、クリエーターだ!」と言い聞かせて手間・暇・お金のかかる工作に励んでおります。
さて、OPTERRA(飛行機)での空撮時に搭乗していただきました100均紙粘土アザラシ君をいたく気に入ってしまいましたのでシリコン型どりで増産してみました!
その工程をちょっとだけ紹介します。
(ちょっとだけというのはあまりきちんと記録していないからです。いつも、全行程を撮影しなくてはと思いつつ作業に夢中になり&手が離せなくなり結局断片的な写真になってしまうんです。)
時間に余裕がありましたら、1分ちょっとの動画でどーぞ。
1 原型(雄型)を作成
左が原型です。右は紙粘土ゴマちゃんです。
まず紙粘土で大まかな形をつくり、それをFRPでコーティングし研磨したものです。ひたすら耐水ペーパーで研磨する作業に心が折れますね。
あと手がプルプルしてきます。
FRPパーツ、樹脂流し込みでアクセサリーなどなど・・・・型を使って何かを作る場合、全行程の80パーセントは原型から型作成になります。
全行程のほとんどが型作りという地味な作業なのでテンション保つのがちょっと大変。こんなに時間をかけて本当に想定したものができるのかな・・・と不安になってきます。
2 パーティクルラインを決めて半分粘度に埋める
2分割にして、原型が外れやすい位置をパーティクルラインにします。ラインより上下どちらにも膨らんだ部分や、オーバーハングになる部分がないように気を付けます。
でも、アザラシの人形のようにRだらけの立体はパーティクルラインの上下にどこかしら膨らんだ部分が出来てしまい完全にパーティクルラインでパコッと外れることはありません。
シリコンのように柔軟な型だからこそ可能な形状ですね。もし雌型をFRPのようにソリッドな素材で作ったら二度と外れません。(泣)
写真のように雄型(原型)の下半分を粘土に埋め、境界線を粘土ヘラできれいに均します。粘度がささくれ立っているとその細かな凹凸もシリコンは再現してしまうのでパーティクルラインが凸凹になってしまいます。
細かい作業なのでイライラしますがガンバリマス。
3 外周を壁で覆う
はめ合せ用に半球のへこみを何か所かに作っておきます。
シリコンを流すために土止めの枠を作ります。別にブロックでなくても木でもなんでもいいですよ。シリコンの圧力に負けなければ・・・。
4 シリコンを流し込む
使用したシリコンはAmazonで一番安かったGSIクレオスの1kg缶です。
型に接触する部分に気泡が残らないよう、型をまずシリコンでコーティングする感じで薄くかけます。
気泡がないことが確認できたらドバっと流し込んで大丈夫です。
型の上部5mm位まで来るようにしています。ある程度の型の強度が必要だとの判断です。
あんまり薄いと、出来た雌型に発泡系の樹脂を流し込んだりすると型が膨らんでしまい、変形した成果物が出来てしまいます。
シリコン硬化後、反転させて粘土を取り除きもう半分のシリコン注入の準備をします。シリコン同士が固着しないようにワセリンを塗っています。
またまた、シリコン硬化後です。ちょっと固着した!?と思うくらいしっかりくっついてしまいますが、ワセリンはちゃんと頑張ってくれます。
型をモミモミしているとだんだん分離できます。無理に一気に引き離さないように!
これでシリコン製雌型の完成です。
型を作るといろいろな素材で遊ぶことができますよー。
よく使う、エポキシ、ポリエステルや人肌発泡ウレタンとか、100均のふわふわ粘土とか、でバンバン量産できます。
調子に乗って、80個くらい作ってしまいました!!
かわいい・・・ アザラシの群れ
みんなで泳いでるって感じ! 量産はこの程度でやめます・・・・